いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



紫色のクオリア (電撃文庫)

紫色のクオリアうえお久光電撃文庫
紫色のクオリア (電撃文庫)

自分以外の人間が“ロボット”に見えるという紫色の瞳を持った中学生・毬井ゆかり。
クラスでは天然系(?)少女としてマスコット的扱いを受けるゆかりだが、しかし彼女の周囲では、確かに奇妙な出来事が起こっている……ような?
イラストは『JINKI』シリーズの綱島志朗が担当。「電撃文庫MAGAZINE増刊」で好評を博したコラボレーション小説が、書き下ろしを加え待望の文庫化! 巻末には描き下ろし四コマのほか、設定資料も収録!!
うえお久光の紡ぐ“少し不思議な”日常系ストーリー、登場!!


各所で「すごい」と言われていたので読んでみたが確かに「これはすごい」
重厚SF+女の子の2話目が圧倒的。
量子力学という概念が作り出す世界観とその中で諦めずにもがき続ける『あたし』にただただ圧倒される。
そんな『あたし』が出した答えがまたすごい。
その答えはごく普通で、結果だけ見れば『あたし』のやってきたことは史上最強の遠回りもしくは宇宙規模の灯台下暗しとでも言える内容なのだけど、そこにあるのは徒労感ではなく当たり前の答えへの説得力。あれだけやるだけのことは全部やり尽くされれば納得せざるを得ないって。
読んだ後に大きく息をついたのは久しぶりな気がする。いい意味で疲れた。
ただ2話目には確かに圧倒されたけど、物語として読んでいて楽しかったのは1話目。
少し不思議+ほんのり百合って素晴らしいですねw やっぱ“ライト”ノベルこうでないと。