いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



ぷりるん。~特殊相対性幸福論序説~ (一迅社文庫)

「ぷりるん。〜特殊相対性幸福論序説〜」十文字青一迅社文庫
ぷりるん。―特殊相対性幸福論序説 (一迅社文庫)

ラブラブ光線絶賛放射中な妹――うずみ(♀)
元・天才美少女、自由奔放な姉――綾(♀)
みんなのアイドル、気になるクラスメイト――桃川みう(♀)
脚がステキな憧れの先輩――小野塚那智(♀)
彼女たちに振り回される人――ユラキ(♂)
ユラキの悩みは今日もつきることなく、“ぷりるん”はまた現れる。
十文字青流、新感覚系ラブストーリー誕生!


うわー・・・ヘビィだ。なんというか胃にくる重さ。
作者が作者だからまともなラブストーリーではないとは思ってたけど、ここまでの鬱なものは想像してなかった。
誰かが亡くなったとか病気とかではなく、誰にでも起こりそうな人間不信の積み重ねだけで鬱に持っていく展開が生々しすぎる。
泣ければある程度スッキリ出来るのに、悔しいでも悲しいでもなく涙を流せないというのはここまで“くる”ものなのか。涙の大切さを改めて教えられた気がする。まあ読んでる方はどん底まで突き落とされた挙句に、損な役回りばかりさせられる主人公の境遇に泣けるが。
ラストも持ち直すには全然足りない。折り合いをつけたという言葉が相応しい現実的な解決と、読者にとっては未知の女の子とのラブでは幸福さがあまり感じられない。まあどん底よりはいいけど・・・ああ、だからサブタイトルが特殊“相対性”幸福論なのか。
甘酸っぱさとは無縁の苦さと脂ものの重さが残るラブ?ストーリー。確かに新感覚だったけど、おかわりは結構です。