高校入学をすぐそばに控えた少女・秋津島榛奈(日本うっかりランキング10位以内:弟・孝雄談)は、近所の浜辺にいたところ、急な高波に飲まれて危うく命を落としそうになり――そこで「ある生き物」に救われる。
しかし、それからというもの順風満帆だったはずの榛奈の新しい生活は少しずつ、しかし大胆に様相を変え、そしてついに──。
『ダブルブリッド』の中村恵里加が贈る、異色のボーイミーツガール&ファーストコンタクト・ストーリー登場!
懐かしい、が第一印象。
この作者の作品を読むのは5巻か6巻で止めた『ダブルブリッド』以来だけど、雰囲気は全然変わってないように感じた。透明感のある黒さと、主人公(&読者)の不安を煽る上手さは健在で、相変わらず面白かった、楽しかったかどうかと聞かれると判断に苦しむ。
あと印象的なのは「ありがとう」の多さ。
グラのずれた「ありがとう」でその言葉の意味を考えさせられ、捻くれた大人目線だと些細なことでも「ありがとう」といえる榛菜や平八を羨ましく思う。
そういう意味では“いい話”だったかも。
帯にはボーイミーツガールの文字しかないけど、ファーストコンタクトはいいとしてボーイミーツガールと銘打つのはどうなんだろう? 当然の如くボーイミーツガール特有のドキドキワクワク感は全く無いし、そもそもボーイだったのかという疑問が。