いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔法の材料ございます2 ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚」葵東(GA文庫)

魔法の材料ございます2 ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚 (GA文庫)
魔法の材料ございます2 ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚 (GA文庫)

ドラゴンの鱗も無事入手できて、お店に束の間の平穏が訪れました。でも、一難去ってまた一難、旦那様の身にまた難題が降りかかります!
赤熱病。わたしの両親を奪った、流行病です。治療に尽くす旦那様を見て、わたしも少しでもお役に立ちたい、そう思って行動したのですが。
突然、知らない人たちに草の上に放り出されました。両手は後ろで縛られ、猿ぐつわを噛まされています。
し、しかも、わたしのことを、しょ、処女かって、そ、そんなこと聞いていったいどうするんですかーー!
攫われたリア=メイさんも窮地に陥るなか、希望はもう旦那様だけです。どうか旦那様とわたしたちに、幸運神のご加護がありますように。


うん、やっぱりサシャは可愛いな。
三代目への打ち明け話のシーンは彼女の健気さと一途さが出てて最高。相変わらず出番少ない&単独行動の幸の薄さもある意味萌え要素か?w
ただ、彼女が行動を起こす場面があまりにも強引。キャラを魅せる為にキャラじゃない事をやらせたら本末転倒な気が(^^;


さて、内容は
お店の話かと思ったら冒険活劇だった1巻に続いてまた騙された。
今度は政治も商売も絡む大人の欲を前面に押し出したダーティな話。
前半はとにかく燃える。
流行りだした赤熱病。その特効薬の材料であるユニコーンの角を巡って金、名誉、権力が複雑に絡み、そこに王女の拉致も重なり・・・というストーリー。
人命を無視して個人の欲のために動く大人達のせいで悪化の一途を辿る展開に憤りを感じながらも、この最悪な状況をどうやって覆すのかとうワクワク感が止まらない。さらには三代目まで立場でも体調でも窮地に立たせ、落とせるところまで落として最高の盛り上がりで後半へ。
と、前半は予想外の大化けに傑作か?と思ったのだが・・・
満身創痍のはずなのに元気で強すぎる三代目に、武器が強すぎて一方的で面白みの無いリア=メイのアクション、そして何より解決方法の半分は結局力ずくだったことに軽く失望した。本題は冒険活劇なのだからアクションが入るのはいいとしても、中身がここまでの展開と比べるとどうしても幼稚に見える。
もう半分の解決とオチは良かったが、前半で大いに盛り上がっただけに煮え切らない感じは否めない。