いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「人類は衰退しました (5)」田中ロミオ(ガガガ文庫)

人類は衰退しました 5 (ガガガ文庫)
人類は衰退しました 5 (ガガガ文庫 た 1-6)

わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は"妖精さん"のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の"調停官"であるわたしのお仕事。そしてこの仕事に就く前、多くの時間を過ごしたのが《学舎》と呼ばれる人類最後の教育機関です。寄宿舎で出会った友人たち。RYOBO230r。秘密の倶楽部・のばら会。妖精のお茶会。感傷に浸るにはまだ早いのに、なぜ思い出すの……? 里に現れた侵略者! 奪還チームを組んで地下に潜ったわたしたち――死亡!? ピロリロリン♪でCONTINUE?


これまでの「人類は衰退しました」とは一味違ったいい話と思いっきりネタに走った話の二本立て。


妖精さんの、ひみつのおちゃかい
主人公の学生時代の話。
人類は衰退しました」らしからぬ、まさかの鬱展開に違う作品を読んでいるのかと。
主人公のこれ以上ない不器用な生き方にハラハラしつつ、寄宿舎(しかも女子ばかり)の独特なドキドキ感も味わえた。
また妖精さんも今までになくハートフル。初めての邂逅にオチにと妖精さんの優しさが沁みる。
ゆるさはなかったけど、いい話だった。一応、人の暗部のコミカルな表現はこの作品らしかったかな。


妖精さんたちの、いちにちいちじかん
タイトルから分かるとおりゲームネタ。懐ゲー回顧録。ゲームは一日一時間って全世代共通?
私(三十路)と同世代かそれ以上の人たちなら反応せずにはいられないゲームネタの数々が楽しい楽しい。
これはあれですか、FF13をやった感想が暴走した結果ですか? まあ多分この原稿よりFF13が出たのは後だろうからそんなことはないだろうけど、過度な美麗グラフィックにばかり力を注ぎゲーム性の失われた今のゲーム業界に一石を投じる内容には肯くしかない。これもおじさん思考だなぁ・・・てかこれ中高生が呼んで楽しいのだろうか(^^;
最後の最後に自らの土俵に持ち込むオチにも笑った。