いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「世界平和は一家団欒のあとに (10) リトルワールド」橋本和也(電撃文庫)

世界平和は一家団欒のあとに〈10〉リトルワールド (電撃文庫)
世界平和は一家団欒のあとに〈10〉リトルワールド (電撃文庫)

妹の危機。悪の大首領との交流。異世界からきたあの人。幼児化した姉。母の家出。神様との対決。祖父の右腕との戦い。宇宙人の少女。
世界の危機も、家族の危機も、いろいろあった一年。そして巡ってきた冬──、柚島が失踪した。一通のメールだけを残して行方がしれなくなった。それと時を同じくして、星弓家の面々は謎の男の襲撃を受ける。そして美智乃は勘付く。柚島の家族の秘密に。
自らにも危機が迫るなか、軋人は本当に大切なものを守れるのか!? 世界と家族の平和を天秤にかける物語、堂々の完結編!


ついに来てしまった最終巻は、当然軋人と柚島の話。
中盤くらいまでは七美がいなかったり敵がそこまで強くなかったりと、最終回でのスケールダウンの拍子抜けしてた面もあったのだが、終わる頃にはそんなものは消し飛んでいた。
そうだよね。このシリースの本質はそこじゃないよね。
とにかく軋人がかっこよかった。めちゃくちゃかっこよかった。
今まで何度も家族と向かい合ってきたからこその行動と、軋奈の死を乗り越えてきたからこそ言える言葉には、重みと優しさの両方が感じられた。でも、それ以上に自分の気持ちを伝える言葉を堂々と何度も言った男らしさに感動した。あれは彩姉じゃなくても手助けしたくなる。
にしても「香奈子」か、、、似合わんなーw
何なのこの違和感。このこそばゆさ。後半はニヤニヤが止まらなかった。最後の戦いは軋人最大の見せ場だったはずなのに、そっちにばかり気を取られて燃えとか感動とか全然無かった。すまん軋人。
対する香奈子さん。強い女の子のしおらしい姿って何でこんなに可愛いんだろうね。軋人の気持ちを何度も何度も確かめている時の可愛さといったら。こんなの「お幸せに!」って言う他ないじゃない。
いつも通りの温かさと過去最高のニヤニヤをくれた最終巻で大満足。


シリーズ通して「うん、読んでよかった」