いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ゴールデンタイム1 春にしてブラックアウト」竹宮ゆゆこ(電撃文庫)

ゴールデンタイム〈1〉春にしてブラックアウト (電撃文庫)
ゴールデンタイム〈1〉春にしてブラックアウト (電撃文庫)

晴れて大学に合格し上京してきた多田万里。大学デビュー、東京デビュー、一人暮らしデビュー、と初めてのことづくしで浮足立つ彼は、入学式当日、不意打ちにあう。
圧倒的なお嬢様オーラ! 完璧な人生のシナリオ! 得意なのは一人相撲!
下手人の名は加賀香子。薔薇の花束を万里に叩きつけた彼女は、万里の友達でもある幼馴染みの柳澤を追いかけて、同じ大学に入学してきたという。そんな眩しくも危うい香子を、放っておけない万里だが――?


おおぅ、いきなりヘビーだぜ。
主人公の傷に、早くもすれ違い多発必至の人間関係。なかなか重いものを持ってきなさる。これ、メディアワークス文庫の方が良かったのでは?


あらすじと序盤の展開から恋のサポートから発展する「とらドラ!」の大学生版か?と思ったら、最後に一気に来た。早くも自分の気持ちを口に出した主人公・万里と、早くも自分のダメさに気付いたヒロイン・香子。「とらドラ!」でいうと既に終盤の状態からスタートか。流石は大学生・・・なのか?
と、開始早々しんみりムードではあるが、これまでのようなハイテンションではないものの、ゆゆこ節はそのままで地の文の楽しさ健在。それにシリアスな場面の台詞回しや心理描写もやっぱり上手くて、引き込み力もハンパない。
完全に1巻仕様なので全ての人間関係が始まったばかりだが、相関図はすでに複雑怪奇。この先、高校生のように初々しくはなく、でも大人にもなりきれない大学生の複雑な恋愛模様が繰り広げられるんだということがよく分かる、次からを楽しみにさせてくれる1巻だった。
次は来春。って、早くて半年後か。長いな。