いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ほうかご百物語9」峰守ひろかず(電撃文庫)

ほうかご百物語 9 (電撃文庫 み 12-9)
ほうかご百物語 9 (電撃文庫 み 12-9)

妖怪たちを一掃する“大祓(おおはらえ)”を何とか乗り切った僕たち美術部+@。『化皮衣(ばけのかわごろも)』の代償に家を失ってしまった僕は、ピュア可愛い妖怪少女のイタチさんと一つ屋根の下で暮らすことに! 
イタチさんに朝起こしてもらったり、一緒に料理をしたり……家での時間はドキドキの連続。学校生活にも平穏が戻ってきて、僕たちは絵を描いたり妖怪対処をしたり、これまでと変わらない放課後を過ごしていた。だけどそんな中、イタチさんの体にある異変が起こって……? 
いなくならないで、イタチさん!! イタチさんと僕の放課後不思議物語、ついにクライマックスです!!

――本書は一人身には大変酷な内容となっております――



あっちもこっちもそっちも全方位で幸せそうで中てられる中てられる。あの奈良山が惚気るとかどうよ。このままで幸せムード一色だと悔しいとか羨ましいとかはなく、ただただ「ごちそうさまでした」。他になんと言えと?w
さて、完結編ということでメインはもちろんあのお二人。
決着はやっぱりイタチさんからか。真一の「好き」は大安売りしすぎで重さとか信憑性とかまるでないからねえ(苦笑
おかげで思うように自分の気持ちを伝えられない不器用なイタチさんがそれはもう可愛くて。しかし最後までイタチさんが一人で苦労を背負い込んでたな、この作品。
唯一のシリアスである最終話は、この作品ならそういう終わり方はしないだろうという安心感でハラハラはしなかったものの、真一らしい呆れるほどの頑張りとイタチさんの一途な想いが十二分に伝わってくる綺麗なラストシーンで、素直に感動した。
待ちに待ったほのぼの(ほとんど戦闘なし)で、かつイタチさんから最大限の幸せオーラが出てる終わり方で、読んでいるこちらまで幸せを貰った気分(真一からも出てたけどいつものことだからねえw)。二人の行く末は雪女夫婦ですね、わかります。
もう一冊短編集が出るようで。アフターストーリーが楽しみだ。



穂村のバイトの理由がおバカで笑った。彼も正しく美術部員だったのね。