いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「とある魔術の禁書目録 (22)」鎌池和馬(電撃文庫)

とある魔術の禁書目録(インデックス) (22) (電撃文庫)
とある魔術の禁書目録(インデックス)〈22〉 (電撃文庫)

ローマ正教の暗部『神の右席』最後の一人、右方のフィアンマ。彼の企てる『計画』が、ついに発動する。
 第三次世界大戦下のロシア上空に浮遊した巨大要塞『ベツレヘムの星』。
 十字教信者だけでなく、全世界の人間を「救う」と言われるそれは、しかし人類史上でも未曾有の大災害が発生することを意味していた。フィアンマが『浄化』と呼ぶその謀略が蠢く中、三人の少年は自らの想いを胸に戦い続ける。
 浜面仕上は、滝壺理后(たきつぼりこう)の治療を終え、クレムリン・レポートを未然に防ごうと動いた直後、宿敵・麦野沈利と相まみえた。
 一方通行(アクセラレータ)は、大天使ミーシャをかろうじて退け、ついに打ち止め(ラストオーダー)を救う『とある解法』に行き当たる。しかしそれはまさに禁断の一手だった。
 そして上条当麻は、『ベツレヘムの星』計画を食い止めるため、インデックスを解き放つため、単身フィアンマに挑む……! 


うわああああぁぁぁあぁぁあああぁぁ。なんだこれ? 美琴が何か悪いことしたか?
戦争中は蚊帳の外で掃除係なのはまだいいとして、その後の仕打ちがあまりにも酷い。
インデックスの一言も結構涙腺にきたけど、美琴のそれはそんなもの比じゃなかった。本気で泣ける。


そんな美琴の不遇さに作者に対して怒りすら覚える『神の右席』編最終章。
読む前から分かっていたことだけど、やっぱり熱い! とにかく熱い!
戦闘の規模がデカ過ぎて浜面の場面以外は何をやってるのかよく分からないのが難点だが、その中で吼える三人のヒーローはメチャクチャかっこいい。
中でも今回は当麻が主役。覚醒と言っていい戦闘力アップがあったものの、それでも劣勢の闘いにその後の後始末と、何も君がそこまでしなくてもと思わずにはいられない必死な抵抗は感動を通り越して痛々しいくらい。そんな当麻から発せられたいつもの台詞は過去最高の重かった。


『神の右席』編終了で戦争は終わっても三人のヒーローの戦いは全く終わってない。というか、身近なものを助けるという意味ではこれからが勝負。彼の復活劇を含めて三者三様に楽しみ。