いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」渡航(ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)

孤独に負けず。友達もなく、彼女もなく。青春を謳歌するクラスメイトを見れば「あいつらは嘘つきだ。欺瞞だ。爆発しろ」とつぶやき、将来の夢はと聞かれれば「働かないこと」とのたまう──そんなひねくれ高校生・八幡が生活指導の先生に連れてこられたのは、学校一の美少女・雪乃が所属する「奉仕部」。さえない僕がひょんなことから美少女と出会い……どう考えてもラブコメ展開!?  と思いきや、雪乃と八幡の残念な性格がどうしてもそれを許さない!  繰り広げられる間違いだらけの青春模様──俺の青春、どうしてこうなった!?

最近流行りの残念な人たちが送るヘンテコな部活もの。
なんでガガガなのに帯に読たんが!?と思ったら、設定が『はがない』っぽいのか。納得した。



これは痛い。残念系小説の中でも随一の痛さ。
何が痛いってトラウマの多さとその傷の生々しさ。これだけ刺々しくてネガティブな二人がメインの小説が他にあっただろうか。
それに中二病は共感できないことが多いのだけど、この高二病はわかる。何でも物事を斜めから捕らえたがる時期ってあるよね。八幡のようにそれを全開で表に出しちゃうケースは稀だろうけど。
また、他のキャラたちも当然のように残念で、そのトラウマのレパートリーの多さに苦笑が堪えない。
そんな誰が読んでも古傷を抉られそうな恐ろしい?内容ながら、十分に笑えてどこか爽やかで、ちゃんと青春しているのが不思議。メイン二人の傷を抉りあう会話は痛々しいのにどこか楽しそうだったり、自分には卑屈なのに、他人を助ける時は真剣そのものだったり。そういう姿を普段から人前で見せていれば、友達0なんかには・・・うん、まあ、無理かw
痛かったが面白かった。続刊希望=そこそこ売れてくれ!



ちなみに一番残念なのは八幡でも雪乃でもなく平塚先生。異論は認める。