いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ボーイ・ミーツ・ハート! ―彼女のフラグは難攻不落!?―」鳥羽徹(GA文庫)

ボーイ・ミーツ・ハート! -彼女のフラグは難攻不落!?- (GA文庫)
ボーイ・ミーツ・ハート!−彼女のフラグは難攻不落!?− (GA文庫)

たとえば予知能力者と透視能力者がトランプで勝負したらどうなるか?
超能力者が暮らす砂拠市は、そうした一般的な種目を使った異能バトル・PSYゲームが日常的に行われる街である。
そんな街の住人で、音を操る力を持った征司は、他人の心音を聞くのが趣味という残念な高校生だ。彼はある日、幼なじみの少女・狭霧と再会するが、その印象は昔と大きく変わっていた。
「彼女を取り戻したい(おもに心音的な意味で)」
かつての狭霧を取り戻すため、征司は奔走し始めるが――!? ちょこっと変則学園異能ストーリー登場!

「オルキヌス」の作者の新作。


新作も面白かった。
超能力者がいる町で繰り広げられるゲーム・PSYゲームを題材にした学園異能もの。
設定自体はよくある学園異能だが、その能力を既存のゲーム(種目はランダムかつカードゲームや鬼ごっこなど多岐にわたる)に応用して勝負する点が独特。能力の強さよりも性質を生かす、頭を使う勝負になっている点が面白い。
それに加えて、この作者の真骨頂の会話も健在。
真面目だが一部変態な主人公に、見た目に反してSっ気たっぷりなヒロイン、かなり“いい性格”な従姉と濃いキャラたちが繰り広げる、テンポのいいボケとツッコミ応酬、漫才のような会話が面白い。この会話が書けるだけで一つの才能だと思うんだ(あとがきに対して
ちなみに一番可愛いのは、ヒロインや従姉ではなくクラスメイトの葛篭さん(異論は認める
頭を使う勝負は面白く、ラブ度も高めになりそうで、続きが楽しみ。