いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「R.I.P. 天使は鏡と弾丸を抱く」深沢仁 (このライトノベルがすごい!文庫)

R.I.P. 天使は鏡と弾丸を抱く (このライトノベルがすごい!文庫)
R.I.P. 天使は鏡と弾丸を抱く (このライトノベルがすごい!文庫) (このライトノベルがすごい!文庫 ふ 1-1)

自らへの攻撃を、相手に反射させる能力を持つフィリップ・リーダス。彼は、ふとしたことから家族思いの少女アンジェリーナ・レインと出会う。行きがかり上、仕方なく襲撃者から彼女を助けるフィリップだったが、それはより大きな災難への序章でしかなかった! 次々と襲い掛かる刺客からアンジェリーナを守り切れるか? そして、最後に彼らを待ち受けるものとは――。タフでクールなダークヒーローが誕生!
第2回『このライトノベルがすごい!』大賞・優秀賞受賞作!

簡単に分かりやすく?説明すると、
とある作品の一方通行さんが硝煙の匂いが濃いアメリカの地に降り立ってしまったような話。(能力以外でも割と共通点多し。ロr(ry )



煙草に銃に堅気ではない人達、主人公の存在以外はがっつりハードボイルド。
ただ、アメリカの裏社会の話なので当然のように撃ち合いはあるが、その描写は淡泊で、メインは活発な少女アンジェリーナと気怠げな青年フィリップのやり取り。なのでアメリカのB級映画のような舞台でありながら、どちらかと言えばフランス映画のような雰囲気がある。
ぶつぶつ文句を言いながらもほうっておけない性格の主人公の葛藤や、少女の淡い恋心などニヤニヤところが多いのが楽しい。
また、ハッピーなのかバッドなのか、何とも言えない余韻を残すエピローグも作品の雰囲気に合っていて読後感もなかなか。
容量(ページ数)、内容ともに薄いのが少々不満だけど、今年の受賞作5作品の中では一番好みのタイプの作品だった。


あとがきもハードボイルド。しかも女性・・・だと!?