いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「優等生以上、フリョー未満な俺ら」初美陽一(GA文庫)

優等生以上、フリョー未満な俺ら。 (GA文庫)
優等生以上、フリョー未満な俺ら。 (GA文庫)

「荒鞍くん……あたしさっきの授業、ノート取りそびれちゃったんだけど……」「ボーっとしてっからだろ! チッ、仕方ねーからコレ写せや! 今日中に返せよコラァ!」「あっ、ありがとう!」
荒鞍悠馬は日夜不良を目指している高校生である。だが真面目な性格のせいで、周りからは「いい人」「優等生」と思われているのが悩みのタネ。
幼なじみの真理亜は、お仕置きと称して彼を追い回し、舎弟ならぬ舎妹を自称する姫子は明らかに不良が何なのかわかっていない。おまけに真面目な学級委員であるはずの東雲朱里まで彼の不良仲間になると言い出して、悠馬のフリョーライフは一体どうなる!?
第3回GA文庫大賞奨励賞を受賞した勘違いフリョー系ラブコメディ登場!


熱い主人公がぐいぐい引っ張るハーレムラブコメ兼青春小説。
これ、不良をバカにしてるだろwとしか思えない不良の定義は置いといて、キャラもストーリーも新人(しかも奨励賞)としてはなかなかの出来。
ブコメとしては、主人公を取り巻く女の子たちがそれぞれに個性的で可愛いし(ラブ方面はハーレムよりも不良少女とひ弱少年の初々しいカップルがの方が微笑ましくて良かったけど)、その中心にいる主人公が友情や絆を大切にする熱い奴なので、危険を省みず仲間を助けに行く燃える展開などあり青春小説としても読める。
ただ、ラブも青春も良かったんだけどコメディがね。
絶望的にテンションとギャグのセンスが合わなかった。
微妙なハイテンションはどう消化したらわからず、盛り上がるポイントの違いで置いてけぼり感を感じ……。どうやら作者とは感性が合わないようだ。
キャラや展開は良いものと感じたのに、楽しみ切れないという個人的に煮え切らない作品だった。