いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ようこそ、古城ホテルへ (2) 私をさがさないで」紅玉いづき(角川つばさ文庫)

ようこそ、古城ホテルへ(2) 私をさがさないで (角川つばさ文庫)
ようこそ、古城ホテルへ(2) 私をさがさないで (角川つばさ文庫)

湖のほとりの白い古城。背筋を正して、客を迎え入れる四人の少女たち。そう、ここは、彼女たち――四人の女主人(メトリーゼ)を擁する、世にも珍しい古城ホテル『マルグリット』。
にぎやかで、でも平穏なそのホテルに、ある日事件が勃発! 女主人のひとり、ドジっ娘魔女ピィを捕えるために、賊が潜入したのだ。抵抗むなしくピィは連れ去られ……!?
これは不思議なホテルを舞台にした、四人の少女の切なくも優しい友情物語。


児童……書?
元々、彼女達の生い立ちや口調に棘が多い作品なのだけど、それでも1巻は言い聞かせる口調の地の文でまだ児童書っぽさがあったのに。二巻は平仮名が多いだけで普通に電撃の紅玉作品。高校生以上が読む分には面白いけど、小学生には重くないか?(^^;


まあそれはともかく内容は、
ドジっ娘魔女ピィと元怪盗フェノン、それぞれがメインの話の二本立て。メインとなる女の子が窮地に陥り、それを他の仲間たちと共に立ち向かっていく友情の物語。
でも、その友情が一味違う。
仲間のいい面だけではなく悪い面まで知っていての友情、それぞれに心の傷や罪の意識を抱えているという仲間意識。どちらかというと負の面でつながっているからこその強い絆で動く彼女たちの姿は、“女の子”達の物語というよりは“女”達の物語という印章。女性の明るい面と暗い面の使い分けが、さすが紅玉さんと言ったところ。
児童書だからと言って明るいだけの友情でも100%ハッピーエンドでもない、深みのある物語。それだけに平仮名が多いのが何だかシュールなんだけど(^^;
次はジゼットメインか。軍とか戦争などのキーワードが出てきて、また重くなりそう……いいのか?w