いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「明日から俺らがやってきた」高樹凛(電撃文庫)

明日から俺らがやってきた (電撃文庫)
明日から俺らがやってきた (電撃文庫)

推薦入学して女の子にモテようか、それとも良い職に就くために上を目指して大学受験しようか──。青春もなく進路に悩む俺、高校3年生・桜井真人の前に未来から“俺”が時間を超えてやってきた! しかも二人も!! チャラ男とガリ勉の桜井真人……って本当に俺かよ!? 同じく進路に悩む『氷の女王』こと高瀬涼と仲良くなった俺はこれからある決断をすることになるが……。
ちょっと大人になった“俺ら”とおくる未来系・青春ラブコメ!(……なのか!?)

第18回電撃小説大賞電撃文庫MAGAZINE賞〉受賞作。



古めかしさすら感じる王道一直線な青春ストーリー。
進路に悩む主人公・桜井真人。ふとしたきっかけで話すようになった女の子は噂と違っていいやつで、という話。
甘酸っぱい青春、恥ずかしい台詞、ベッタベタなストーリーどれも大好物なのだけど、ご都合主義もここまでくると流石にどうかなと思う。6年であれだけ変われたり、数か月の追い込みで合格まで持っていく主人公のポテンシャルの高さにビックリだ(棒)。
でも、ラブコメとしては良かった。
こっちもベッタベタな展開ではあるのだけど、ヒロインの高瀬が文句なしで可愛いのが魅力。不器用さと健気さ、『氷の女王』の二つ名には似合わない赤面率の高さと魅力たっぷり。
そんな彼女をクラスに溶け込めるように奮闘する主人公も、受験勉強そっちのけで彼女を心配し、その中で感じる自分の気持ちが丁寧に描かれているので、よく赤面する彼女共々、反応の初々しさにニヤニヤが止まらない。
そんなわけで、ストーリーだけだと進研ゼミのマンガでも読んだような微妙な気分になるけど、主人公の目線で高瀬のクラスデビューを見守り、その後の二人の甘酸っぱい様子楽しむラブコメとしては面白かった。