いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「人形たちの夢 前篇」水鏡希人(電撃文庫)

人形たちの夢〈前篇〉 (電撃文庫)
人形たちの夢〈前篇〉 (電撃文庫)

エオノーラは苛立っていた。上手いこと依頼を引き受けたと思っていたら、姉の頼みとかでとんだ厄介者がルシャまでついてきていたからだ。お目付け役の記者兼作家のミュンを疎ましく思いながらもやってきた依頼主の屋敷で、エオノーラは数多の不気味な人形と、自らをアルタシアと名乗った不思議な少女に会う。こうして、彼女達は切れて漂うばかりだった幾つもの運命の糸に巻き込まれていく。


なんでこの娘を選んでしまったのか。前作のキャラクター使うならもっと主人公に適した人物はいたのに。


魔法を交えたサスペンスの様相から、過去数度の革命と王族の生き残りが絡む小国ながら国単位での事件へとスケールアップしていく展開。しかも思いがけず前作「そして、誰もが嘘をつく」との繋がりが見えてちょっと得した気分に。と、ストーリーは良かった、ストーリーは。
しかし、主人公エオノーラが非情に不快。
常にイライラ、何事にも余裕がなくヒステリックで返事の半分以上は逆ギレ、空気を読む気はないし自分の頭で何かを考えようともしない。メインのキャラが常時不愉快を振りまいているような話が読んでいていい気分なわけがないし、ただ状況に流されるか嫌っている男に促されなければ何もしない意思のない主人公をで話が面白くなるはずがない。
事件の顛末は気になるが、視点が違うキャラに切り替わらない限り後篇は読む気がしない。