いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「クロクロクロック1/6」入間人間(電撃文庫)

クロクロクロック 1/6 (電撃文庫)
クロクロクロック1/6 (電撃文庫)

(1)黒田雪路──二十代前半の青年。殺し屋。拳銃の持ち主。依頼を受けて、女性陶芸家の暗殺を企み中。
(2)岩谷カナ──大学六年生(誤植ではない)。駄目人間。拳銃の持ち主。働くために外出中。
(3)首藤祐貴──高校三年生。気になっていた片想いの相手の跡を追いかけ中。
(4)時本美鈴──小学六年生。顔立ちが整った少女。拳銃の持ち主。『嫌いな人』ランキングの六位を殺そうと街を徘徊中。
(5)緑川円子──陶芸家。頭には常にタオルな妙齢の女性。年齢不詳な、金髪青スーツな弟子と、個展会場に向かい中。
(6)花咲太郎──ロリコンな「閃かない探偵」。依頼され、なくしてしまった拳銃を捜索中。
六丁の拳銃を巡って、六人の運命が、今転がり始める。


それぞれの理由で拳銃を手にした6人の群像劇。しかし、その中に売人の手違いで贋物(モデルガン)が一つ紛れ込んでいて。という物語。
……と書いたが嘘だった。あらすじに「六丁の拳銃を巡って」あるけど、よくよく考えてみたら銃を持ってない人が二人もいる。あと二丁どこいった?
一丁は六人のうちの一人、陶芸家・円子の弟子が持ってそうな感じだが、もう一丁は影も形もないな。すでに一人脱落寸前な高校生がいるから、最後の銃を持った人間と入れ替わりの可能性もあるかも。
という先走りは置いといて内容は、
少しずつニアミスしたり関わったりする6人、と同時に所々で顔を見せる過去の入間作品の出演者たちというある意味で入間人間らしい作品。打ってしまった彼の極限状態の描写もなかなかのインパクトだが、殺し屋・黒田と小学生・美鈴の壊れ具合が印象的。
『みーまー』のような読みにくさはなく、話がどう転ぶか全くわからなくて面白い。でも全6巻予定で後半グダグダにならないか少々不安。