いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「僕と姉妹と幽霊の再会」喜多南(このライトノベルがすごい!文庫)

僕と姉妹と幽霊(カノジョ)の再会(コンタクト) (このライトノベルがすごい! 文庫)
僕と姉妹と幽霊(カノジョ)の再会(コンタクト) (このライトノベルがすごい! 文庫)

無意識に幽霊を引き寄せる桃香の能力のせいで、再び生霊として目覚めた紫音。紫音は桃香を「よりしろ」にしてしまったため、二人は四六時中行動を共にすることになり、紫音・桃香・クロの間に微妙な空気の三角関係が構築される。そんな最中、桃香が部長を務めるオカルト研究部に訪問者が。高津浅葱と名乗った少女は「兄の幽霊を成仏させたい」と相談を持ちかけてきて……。
第2回『このライトノベルがすごい!』大賞・優秀賞受賞作第3弾!


心臓の弱く亡くなった兄が未練を残し妹に憑いてしまった高津兄妹の話。
またストレートに泣かせに来たなあ。
兄弟愛に少しばかり狂気が混じって微笑ましいがいきなり美しく切ないものに。兄の病気によって死が身近にあるからこそ生まれるてしまう決断に、お互いがお互いを想い過ぎているからこそ生まれてしまうすれ違いにと何度も胸を締め付ける。
……と、泣ける兄弟愛を見せてくれた高津兄妹には悪いんだけど、このシリーズの本命はヒロイン争いでしょう。
紫音さん復活きたーーって、また生霊かい! これは完全復活の時はシリーズが終わる時だね。
台詞の端々に黒さは出てたけど、主人公・クロとの絡みが少ないので“いい性格”の本領発揮がされていないのが残念。
一方でツンデレ姉・緋色さんは今回も絶好調。
表紙には進出するわ、ヤキモチ妬きっぱなしだわ、また弱い面を見せてクロに助けられるわでヒロインらしい活躍。強気少女の涙目は最強。というかクロが必死になったのはあのシーンだけだよね。主人公を本気にさせるのは“メイン”ヒロインの役目。
ちなみに桃香は…………頑張れ! 部員が怒りっぽい少女三人という珍しいキャラ構成になって気弱な部長に明日はなさそうだけど頑張れ!
緋色の邪魔する宣言もあったことだし、次は紫音vs緋色に期待(もちろんラブコメ的な意味で)