「あの頃のあたし───お、お兄ちゃんっ子だったの」
引っ越し祝いパーティの場で交わされた“約束”を果たすため、田村家を訪れた俺と桐乃。話し合いは、やがてそれぞれの過去話になっていって……
「仕方ないことなんかなぁ、この世に一個だってねーんだよ！」「学校に行ったら負けだと思っている」「その謎のペットボトルは……まさか……おまえ禁断の行為を……！」「『凄いお兄ちゃん』なんて、最初からいなかったんだよ」「そんなことで、お兄ちゃんを嫌いになるわけないじゃん」
「だから。あたしは、あんたのことが嫌いになったんだよ」
兄妹冷戦の真相が、ついに明かされる。重要エピソード満載の最新刊!!
時期は１０巻エピローグの少し前。舞台は田村家。高坂兄妹と麻奈実の、主に京介の中学時代が赤裸々に明かされる過去編。最終回への準備回。
今も誰かのピンチを見たらほっとけない京介だけど、原点はいいかっこしいだったのか。しかし、このころのお節介病は悪いけど「マジでウザい」としか形容のしようがないな。同じ中学にいたら絶対友達になれない人種だ。
まあ、そんなことより麻奈実ですよ。
見たか者共。これが本妻の本気だ！
とりあえず麻奈実がこれだけ活躍できる機会が訪れたことが単純に嬉しい。その上、色々な顔を見せてくれたので嬉しさ二倍。怒るとハンパなくおっかないとことか、（当時）中学生とは思えない包容力とか、虎視眈々としかも意外と狡猾に狙っているところとか。これは中盤圏外からの怒涛のまくりあるで！
最終巻となる１２巻は１０巻のあやせの先制攻撃後からスタートかな。
気になることが沢山ある。この準備回での女性陣の意気込みは凄かったし、京介が櫻井（今回のゲストヒロイン）を振った時の一言も気になるし、Ａ判定出た時の約束もまだ。どんな決着を見せてくれるのか最終巻が待ち遠しい。
