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「ソードアート・オンライン11 アリシゼーション・ターニング」川原礫(電撃文庫)

ソードアート・オンライン11 アリシゼーション・ターニング (電撃文庫)
ソードアート・オンライン11 アリシゼーション・ターニング (電撃文庫)

キリトが謎のファンタジー世界に入り込み、ユージオと出会って二年が過ぎた。
≪北セントリア帝立修剣学院≫の≪上級修剣士≫となった二人は、人界最強の秩序執行者≪整合騎士≫目指し、修行の日々を過ごしていた。
≪上級修剣士≫のキリトとユージオには、身の回りの世話役があてがわれる。キリトにはロニエ、ユージオにはティーゼ。四人は互いに絆を結び、充実した修士生活を過ごしていた──その時。
突然、≪悪意≫はやってきた。
ロニエとティーゼが、≪上級修剣士≫の下劣な貴族達の罠に嵌められる。それを知ったユージオは彼らに対して剣を抜こうとするも、教会への信仰心で身体が動かない。その時、ユージオの右目に凄まじい激痛が貫き、奇妙なしるしが浮かび上がる。
それは、ユージオには読めない神聖文字の羅列だった。
──【SYSTEM ALERT】。


本日の狩りの成果:ロニエ、アズリカ寮監
傍付きのロニエはともかく年上もいけてしまいますか。流石はキリト大先生!


という冗談は置いといて、
学生のまますんなり大会へ、なーんて平穏な展開にはならないだろうとは思ってたけど、ここまでぶっ飛ぶとは。予想を遥かに上回る方向転換に度肝を抜かれた。
前巻で菊岡が語った世界観には合致しない陰湿なイジメにイライラが募る序盤とプッツンするユージオ。まではあらすじ通りだったのだけど、、、え? ここまでやっちゃうの? 
その展開だけでも驚きだったのに、二人を助けたカーディナル(見た目幼女)が語るアンダーワールドの成り立ちと現状で更なる衝撃が。
それにしてもよく練られている構成に感心しきり。矛盾を一つ一つ潰していくカーディナルの説明に、現実世界のきな臭い部分とも綺麗に繋がって、まだまだ先があるのに妙にスッキリした気分。
しかも行き付く先はある意味神殺しになりそう。神に挑むキリト、過去最長編に相応しいバトルになりそうな予感でワクワクが止まらない。 
正直この巻の前半までは「web版一番人気のエピソード」の謳い文句に疑問を呈したい気持ちだったのだけど、これなら納得。続きが待ち遠しい。