いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を」岡崎琢磨(宝島社文庫)

珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

京都の小路の一角に、ひっそりと店を構える珈琲店タレーラン」。恋人と喧嘩した主人公は、偶然に導かれて入ったこの店で、運命の出会いを果たす。長年追い求めた理想の珈琲と、魅惑的な女性・切間美星だ。美星の聡明な頭脳は、店に持ち込まれる日常の謎を、鮮やかに解き明かしていく。だが美星には、秘められた過去があり――。軽妙な会話とキャラが炸裂する鮮烈なデビュー作。

読書メーターで読んだ本の上位にいたので買ってみた。



これは良いコーヒー薀蓄小説ですね。
でも残念ながら一杯でなんとか、二杯目以降は100%気持ち悪くなってしまうコーヒーが全然ダメな人なのでコーヒーには全く興味がないんだな、これが。
それを抜きにしても、魅力的なキャラクター+ほんのり甘い男女の会話+日常ミステリでなかなか面白い。
中でもバリスタの美星さんは、コーヒー豆をコリコリと挽きながら思考する凛々しい姿や、意外とダジャレ好きやいたずら好きなお茶目な一面もあったりして魅力たっぷり。
ところが、後半になるにつれ会話は単調にミステリは微妙になっていく。
二人の距離を測り合う回りくどい会話は初めこそ微笑ましいが、変わらない距離感と代わり映えしない話の内容で段々とつまらないものに。
ミステリの方は伏線の張り方やミスリードが下手。特に会話は知られたくない事実の隠し方が不自然で、隠していることがありありと分かってしまう上に、流れが悪くてモヤモヤする。
うーむ、出だしはこれは!と思ったんだけどなあ。