いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「刑事ぶたぶた」矢崎存美(徳間文庫)

刑事ぶたぶた (徳間文庫)
刑事ぶたぶた (徳間文庫)

春日署に配属された新人刑事の立川くん。彼の教育係になった上司の山崎ぶたぶたさんは、なんと、ピンク色をしたぶたのぬいぐるみだった。立川くんが、びっくりしている間もなく、管内で起きる数々の事件──銀行強盗によるたてこもり、宝石の窃盗、赤ん坊の誘拐──に、ぶたぶたさんは、可愛いらしい容姿で走り、潜入し、立ち向かう! 大人気ハート・ウォーミング・ノベル、待望の刊行!!


ぶたぶたシリーズ第二弾の再々刊。
有能といっていいのか便利というべきなのか。意思疎通ができるぬいぐるみで潜入に持って来いで、殉職や怪我の心配もほぼないとなれば便利使いされるのも頷ける……んだけどね、ぶたぶたさんの扱いが酷いw 思いっきり潰されたり持ち運びが紙袋だったりコインランドリーに放り込まれたり。いやまあ、刑事としての捜査の一環だから仕方ないんだけどさ。最近は料理のできる気のいいおじさんとして扱われることが多いから、ぬいぐるみなことを前面に押し出しているのが新鮮。
新鮮といえば、ぶたぶたさんとのファーストコンタクトの反応も。最近は過度に驚く人いなくなっちゃったからねえ。
話としてはぶたぶたシリーズには珍しい長編もので、悩みを抱えた人々が起こす少しシリアス色の濃い重めな話。
大人たちの葛藤は共感したり理解は出来なくても気分が重くなったりと感化される。でも、あの子供はちょっと。ああいうガキには思いっきりゲンコツを下したくなる。一度痛い目見せた方がいいよ。
そんなわけで、最近のぶたぶたシリーズとは一味違って面白った。