いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「バカとテストと召喚獣12」井上堅二(ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣12 (ファミ通文庫)
バカとテストと召喚獣12 (ファミ通文庫)

あわや敗北か!? という劣勢の中、遂に年貢を納――否、開き直った雄二の策により、首の皮一枚繋がって試召戦争の1日目を終えた2年生。依然戦力差が大きく開いたまま突入した2日目だったが、雄二の指揮の下、2年生は勢いを取り戻す。そんな激戦の最中、作戦行動中の明久の前に3年生代表の高城が立ちはだかる。瑞希の悩みとその真意を聞かされ、明久は……!? 「なぁ、明久」「なに、雄二」「――面白ぇな、俺たちの学校」バカたちの饗宴、ついに終幕!


シリーズ最終巻は最後にして最大の試召戦争、二年生vs三年生の後半戦。
最終巻らしい熱い展開だった。
窮地からの大逆転劇。それだけでも心躍る展開なのに、それを我らが馬鹿共Fクラスの面々が二年生を引っ張っていく姿、口では罵り合いつつしっかりした信頼と友情で局面を打開していく姿がなんとも頼もしい。それに、一生懸命努力した結果が報われていくのがバカ正直だけど気持ちいい。
気持ちいいと言えば、気になる三角関係の行方も玉虫色で終わらず決着が着いたのも良かった。
ちゃんとした答えを出した明久に拍手。よっしゃー、勝ったどー! 瑞希さんお幸せにー!!
やっぱり王道青春ストーリーっていいものですね…………でも、でもね。『バカテス』で読みたいのはこれじゃないのよ。
圧倒的に「バカ」が足りない。これじゃ「テストと召喚獣」だ。
しょうもないけど笑うことを我慢できない、人前では読めないのがバカテスシリーズだったのに、ここ数巻は表情を変えずに読める人前で読んでも支障がない内容で、それが最後まで続いてしまったのが淋しい。
でも、まだ短編集が残っているようなのでそれに期待しよう。試召戦争の呪縛から解き放たれた今ならきっと羽目を外してやらかしてくれるはず。バカテスらしい最後を望みます。