いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「紅炎のクロスマギア 〜狂える竜と災厄の魔女〜」花房牧生(HJ文庫)

紅炎のクロスマギア ~狂える竜と災厄の魔女~ (HJ文庫)
紅炎のクロスマギア  ~狂える竜と災厄の魔女~ (HJ文庫)

借金返済のため日々依頼をこなす、勤労魔術師の少年ヨアキムは、巨額の報酬に釣られて《竜に閉ざされし牢獄都市》へと向かった。依頼の内容は、都市中央の廃城で時を止められているという《災厄の魔女》を解放すること。喋る猫ラウナシカと共に、竜の咆哮が轟く都市に潜入した彼は、そこで自らの運命を変える三人の少女と出会うのだった――


王になるべくして生まれた少年の英雄譚、序章。
話は主人公が自分の運命に気付いたところまでで、これから旅立とうというところで終わる。まさに物語の冒頭といった内容。その為、世界観や時代背景、キャラクター紹介等の説明多し。
ただ、その説明に若干の問題が。話を壮大にしようという意図は感じられるのにし切れていない感じが変にもどかしい。今後の為にぼかしている部分も勿論あるのだけど、それ以外の説明も漠然とし過ぎているような。
と、ファンタジーとしては今のところ微妙な感じだが、キャラクター小説としては面白い。
ヒロインたちの個性が強くて彼女たち(3人+1人)が揃ってからが本番と言っていい。しっかりしていそうで所々抜けている姉・ラウナシカ(現在なんらかの魔法で姿は猫。あざとい!)と、どこかヤンデレ臭がする魔女・リーチェがお気に入り。それにしても、相変わらず「姦しい」を楽しく表現するのが上手い作家さんだ。
主人公が成長するのがこれからなら世界の姿が見えてくるのもこれからと、今のところ何とも言えないというのが感想だが、上手い方へ転がってくれれば面白くなりそう。