いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「神☆降臨! ロンギヌスの槍は銃刀法にひっかかりますか?」谷春慶(このライトノベルがすごい!文庫)

神☆降臨! ロンギヌスの槍は銃刀法にひっかかりますか? (このライトノベルがすごい! 文庫)
神☆降臨!  ロンギヌスの槍は銃刀法にひっかかりますか? (このライトノベルがすごい! 文庫)

平穏な人生を夢見て、日夜勉強に励む主人公・山田。だが、彼の日常はあっけなく崩壊した……それも、ギリシア神話の主神ゼウスのせいで……「俺のち●こ取り返してこい。ダメだったらオメーのもらうから」。処女神・アテナ&腹黒フクロウ・ミネルヴァ、セクハラ美少女、天然系幼馴染み、そして同級生を巻き込んで、全く参加したくなかった●んこ奪回一大修羅場が勃発!「何を言っているかわからねーよっ!」。「モテ泣き」シリーズの谷春慶が贈る、理不尽系神話コメディ、スタート!!

モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣)」の作者の新シリーズは、下地がギリシャ神話を皮肉った内容で、ネタが下ネタとフルメタル・ジャケットに偏っているというかなり趣味に走った作品。



はっきり言おう。前作の方が面白かった。
こうしてみると砕月(前作の主人公)ってある意味いいキャラだったのかもしれない。女性陣の魅力は十分なのにゲスの極みだった主人公が苦手で楽しみ切れなかった前作だったが、あれはあれで他のキャラを引き立たせたり、共通の敵という結束するために必要不可欠のポディションをこなしたり、何よりビョーキさえなければ前向きでやる気のある主人公だった。
それが今作は、主人公が振り回されるだけのいわゆるヤレヤレ系主人公で、理不尽に抗うこともしなければツッコミもおざなり。
おかげで周りがやりたい放題で、それぞれに言いたいことだけ言っている無法地帯に。振り回されるのはいいけど、ツッコミだけはしっかりしてくれないとコメディとして成り立たない。それに、そのせいで主人公を含めてキャラが自分勝手な人々としか映らないので、致命的に女の子が可愛く感じられない。
面白かった点は、モールス信号で意思疎通をするヤンデレ気味のロンギヌス(槍)と、センセイと呼ばれる達観した女子クラスメイトのキャラクター性くらいか。……共にあまり喋らなかったキャラだな(^^;
前作の良かった点=可愛い女の子を読むのを楽しみにしていたので、下ネタとFワードばかりが目立つ内容で非常に残念。