いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「韻が織り成す召喚魔法 ―バスタ・リリッカーズ―」真代屋秀晃(電撃文庫)

韻が織り成す召喚魔法 -バスタ・リリッカーズ- (電撃文庫)
韻が織り成す召喚魔法 ―バスタ・リリッカーズ― (電撃文庫)

校則の守護神と呼ばれるカタブツ生徒会長・音川真一の前に現れた、クソ迷惑な悪魔少女・マミラダ。彼女に無理矢理契約を結ばされてしまった真一は、とある能力を手に入れた。それは――。
「サタニックマイク! 相手を強制的にラップバトルに引きずり込んで、バトルの敗者を支配できる魔法だよ。よーよー!」
そしてはじまるマイクバトルは、命を賭けた真剣バトル。心の内に秘めた暗黒面を吐き出すフリースタイルラップは、強力な召喚魔法を生み出し、学院の不良たちに襲いかかる!
生徒会長と迷惑悪魔の織り成すマジカル召喚MCバトル、開演ちぇけらっ!

第20回電撃小説大賞<金賞>受賞作品



なかなか面白かった。でも疲れたw
青春20%、おバカなギャグ漫画のノリ80%くらいの割合のコメディ。
最大の特長はMCバトル。ラップによる罵り合いを悪魔のマイクによって具現化するとんでもバトルである。
汚い言葉もきつめの罵詈雑言も使われるのだけど、それをラップに乗せることでマイルドになっている様に感じるから不思議。そして、それらが飛び交う様子が予想外に爽快。
ただ、そのラップに一つ落とし穴が。
ラップのところはラップ調で読まなければならないような気がして脳内でリズムを取るのだが、結構な割合で上手くいかない。おかげであーでもないこーでもないと考えているうちに変に疲れてしまう。……韻を踏むことに集中しすぎて文字数の調整してないな、これ。この韻を踏んだ文章考えるのは相当大変だとは思うが、ここまでやったらその辺りにも気を使って欲しかったかな。
それでも、キャラクターはみんな個性がありすぎるほどあったし、主人公の心情変化も丁寧で、王道ながらストーリーラインも綺麗。そしてなによりオリジナリティーがあった。納得の金賞。