いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「思春期ボーイズ×ガールズ戦争」 亜紀坂圭春(電撃文庫)

思春期ボーイズ×ガールズ戦争 (電撃文庫)
思春期ボーイズ×ガールズ戦争 (電撃文庫)

正しく生きるのを止め、“男であり続ける”ことを誓った三人の少年がいた。彼らは女の子のことを知るためには、大きな力にも屈することなく立ち向かっていこうと誓ったのだった。覗きすら辞さない──つまり、どうしようもなく思春期だった。
そんな男子に武力行使で物事を解決するのが、女子が牛耳る男子矯正委員と生徒会。容赦なく顔が変形するまで殴る中崎ミイナさんは恐ろしく怖い。なのに、なぜこんなにドギマギしてしまうのか。三人には深すぎる命題であった。
こじらせすぎてしまった少年達と怒りの鉄槌を下そうとする女子達。思春期ボーイズ×ガールズの青い戦いの行方は!?

第20回電撃小説大賞<銀賞>受賞作品



『男子規制法』によってエロ本やAVの規制だけではなく表現の自由さえも奪われた時代に、ただひたすらにエロを求める三人の男子の情熱を描いた熱血バカコメディ。
おっぱいはおろか女性の下着すら見たことのない彼らの衝動は、スカート捲りをする小学生に毛が生えたレベルのエロだが、だからこそ笑える。そしておバカなことを真剣に全力でやる、これ以上に面白いことはない。
また、主人公を含めたメインの三馬鹿トリオのエロに対する熱量と友情、脇を固める先輩たちの変態性など、男子はキャラクターはみんな素晴らしい。
だがしかし、
残念ながらその大好きなジャンルを楽しみ切れない大きなマイナス要因がある。
こんな物語なので女子は完全に敵役……なのは別に構わないのだが、女子の男子への態度、特に生徒会や新聞部部長のやり口があまりにも卑怯で陰湿。法律を笠に着て罠だろうと冤罪だろうとお構いなし。これが大好きなジャンルの楽しさを覆すに十二分な不愉快さ。暴力に訴えるだけの中崎さんが可愛く見えるわけだ(キャラクターに魅力があるとは言ってない)
結局、総合的な印象はよろしくない。男子たちは気持ちのいいバカで本当に良かった。それに正面からぶつかってくれる敵(女子)が欲しかった。



この内容で女子一人の表紙は無いよ(´・ω・`)