いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「安達としまむら3」入間人間(電撃文庫)

安達としまむら (3) (電撃文庫)
安達としまむら (3) (電撃文庫)

2月4日、バレンタインデー10日前。放課後に二人で出かけたモール内のドーナツ屋の前で、安達が聞いてくる。
「14日に、しまむらはなにか、用事ありますか?」「ないですけど」「ないなら、14日に、遊ぼうという……」
鼻の上に加えて、手の甲まで真っ赤に染まっていた。そんな安達の決意や覚悟に感心して、私はこう応える。
「いいよ。今年はバレンタインをやっちゃおうか」
2月14日までの10日間。安達のどきどきな10日間が、しまむらの日常に彩りを与える。そんな二人のお話。

バレンタインデーに一緒に遊ぶ約束をした2月4日から当日までの10日間が、安達視点としまむら視点の両方で綴られるシリーズ第3弾。



またまた良い百合だった。それだけで満足。
でも、10日間しまむらしか見えていない安達と、この10日間もいつもの日常で、どちらかといえば安達以外といた方が彩りがあるしまむら。この温度差がちょっと辛くなってきた。
特に安達ちゃん。テンパりすぎててべら棒に可愛いけど、ずっと読んでると不安になってくる。誰か落ち着けに行ってあげてと思っても、彼女が信頼する人間って誰も居ないだよね。もし、しまむらが離れていってしまったらどうなってしまうんだろう……。ちょっとしたサプライズで、安達の心をまたがっちりと掴んでいったしまむらが魔性の女に見えてきたよ。
2巻と話の流れや、二人の心理状況があまり変化がなかったこの巻。ゆっくりまったりは好きだが、不安定な状態で安定してしまって、基本微笑ましいのに妙にソワソワする話だった。
次があるなら安達にもう少し落ち着いていてくれることを願う。
というか安達ちゃん、この心理状態でよく進級できたな。テスト勉強なんて出来る状態じゃないだろう。