いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「未来/珈琲 彼女の恋。」千歳綾(GA文庫)

未来/珈琲 彼女の恋。 (GA文庫)
未来/珈琲 彼女の恋。 (GA文庫)

「――私のことをいやらしい目で見ましたね、父さん?」
ある日、高校生の湊遼太郎が家に帰ると、そこには全く知らない娘の姿があった。
雪音と名乗る少女( 胸ナシ)は、未来から来た遼太郎の娘だという。 しかもある日、娘はふたりに増えていたのだった(こっちは巨乳!)!
プラチナブロンドで儚げな彼女・阿梨亜と遼太郎の関係が深まるのを邪魔してくる雪音。 雪音はなぜふたりを邪魔してくるのか。ふたりは未来からどうやって飛んで来たのか。 謎に異能に家族の絆も相まって、物語は息も吐かせぬ展開へ……!?
ちょっと不思議で温かい、第6回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

微妙。
いや後半は、家族4人がお互いをそれと認識してからは普通にいい話だったとは思うのだけど、、、
まず、前置きが長すぎ。
早々に目的を言ってしまったら物語にならないのは分かるが、隠すなら隠すだけの理由を付けてくれないと。本題から逃げるように、あまり関係ないベタなコメディを長々と読まされたら流石に飽きる(久しぶりに読書中に寝落ちした(^^;)
それと、どうしても気になるのがタイムパラドックス
一度だけ過去でも未来でも好きな時代に行ける異能を題材にしたタイムトラベルものなのだけど、タイムパラドックスについての言及はほぼゼロ(最後の最後だけそれっぽいことを口にしているが)
その最たる例が、両親の結婚を阻止しに来たという未来の娘が、それが成功したら自分の存在がどうなるかを一切考えていない。その他、未来の父は助けもしないで何してるんだろうとか、娘たちの隠し事に意味はあったのかなど色々と気になって、読んでいる間中モヤモヤしっぱなしだった。
デレデレドSな幼馴染み(母)のキャラクターやイチャコメは好みだったのだが、肝心の主題が説明不足なのか元々考えてないのか、全然納得が出来なかった。
家族もののハートフルコメディとしてはなかなか。でも、細かいことが気になる性分の人には合わないと思う。