いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ワールドウォーカーズ・クロニクル ―異世界渡り英雄記―」翅田大介(HJ文庫)

ワールドウォーカーズ・クロニクル-異世界渡り英雄記- (HJ文庫)
ワールドウォーカーズ・クロニクル-異世界渡り英雄記- (HJ文庫)

聖都ラグランジアにそびえ立つ、天まで届くという漆黒の《塔》。教会騎士団の英雄でありながら、《塔》への信仰に疑問を持つ少年ヴィルはある日、まばゆい光と共に天から降ってきた少女と出会う。その邂逅は少年を異世界へと導く道標だった。冒険心を抑えきれないヴィルは同僚であり、ヴィルを慕う美貌の女騎士・エリザと共に運命の選択を迫られる。


腕っぷしは滅法強いが男としては結構ロクデナシな主人公ヴィルが異世界を渡り歩く、異世界“冒険”小説。次々と世界が変わる=引き出し量が試される、作家にとっても冒険といえる作品。
そんなわけで、次はどんな異世界に行くのだろうというワクワク感が醍醐味の一つ……なんだろうけど、それを味わうのは次以降かな。今回は元々居た世界の話半分と新天地半分で、どういうシステムか分かってもらうのがメイン。次はもう現代日本のような所で確定してるのし(亡き母親の故郷?)。でも、初めの世界でも次の世界でも色々とやり残していることがあるので、それをどう回収するかは楽しみ。
その他で目立つのは、やっぱりというかなんというかヒロインたち。強い女性のヒロインを魅力的に書くことに関しては右に出るものは居ないんじゃなかろうか。
その筆頭がエリザ。珍しく女々しいお嬢様かと思いきや、まさかの初回からプッツン。吹っ切れた後の豹変ぶりには苦笑&ニヤニヤで笑わずにはいられない。
他にも、無口少女ミュートはか弱そうな雰囲気とは裏腹に図太いというか生きることに対して強そうだったり、初めの異世界で出会ったアマラは姉御肌のいい女だったり。
今後も各世界ごとに現地妻が出てくるそうなので、どんなヒロインが出てくるか、正直ここが一番楽しみ。
さて、ナナミちゃんはどんな子かな?