いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「無能力者(レベルE)のオービット・ゲーム1」

無能力者のオービット・ゲーム 1 (オーバーラップ文庫)
無能力者のオービット・ゲーム 1 (オーバーラップ文庫)

「きっと、あそこへ行く」
超能力たる『遺能』が使われるのが普通となった時代。無重力下で『遺能』を駆使して行われる戦闘競技『オービット・ゲーム』が人気を博し、軌道上のコロニーに存在する宇宙学校はオービット選手の育成に力を入れていた。
日向ソラは『遺能発現者』でない事を理由に希望していた宇宙学校への入学を拒まれてしまう。別の学校に進んだソラは有望なオービット選手だと誤解され、手荒い歓迎を受けるが、それは無能力者が常識を覆す物語の始まりだった。
止まらない&無重力下バトル開始!


無重力下異能戦闘競技『オービット・ゲーム』で出来そこないの主人公がのし上がっていく物語。
展開は王道。タイトルとあらすじで想像していた通りのものが出てきた。驚きはないが、安心して楽しめる。
そんな中でまず目に付くのが、事細かに作り込まれた「軌道世界」の設定。
それを説明するために前半は説明台詞が多く若干の読みにくさを感じるが、その説明があってこそのバトル描写なので充分おつりがくる。無能力の主人公・ソラが、無重力下での戦闘の知識と技量で強力な能力者たちを倒していく痛快さはこの説明があってこそ。
もう一つの特徴が肌色率の高さ。
ソラが普段から下ネタもバンバン言っていく天邪鬼な性格なのでエロさはあまり感じないが(師匠が悪いよ師匠がー)、ラブコメとしての楽しさは十分。
さて、強い女性を魅力的に書くことに定評のある翅田氏の作品という事で、そこに一番期待して読んだのだが……珍しく女の子らしいヒロイン? この子も某作品の銀髪キャラのようにたくましく育つのだろうか。図太さの片鱗は見せてるし。次回から参戦の幼馴染み共々女の戦いが楽しみ。