いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「アルジャン・カレール 〜革命の英雄、或いは女王の菓子職人〜 〈下〉」野村美月(ファミ通文庫)

アルジャン・カレール -革命の英雄、或いは女王の菓子職人-〈下〉 (ファミ通文庫)
アルジャン・カレール -革命の英雄、或いは女王の菓子職人-〈下〉 (ファミ通文庫)

若き女王ロクサーヌの治める平和なフロリア。王都の片隅の小さな菓子屋【パティスリー】には、今日も劇作家がやっかいごととともに駆け込んでくる。そんな平和な日々が、不意に揺らぎ始めた。フロリアの守護神、バルトレオン将軍の遠征失敗によって。フロリアは再び混沌に呑まれるのか――。その行く末は、国際会議の席でのロクサーヌの外交、そしてその席で供されるアルジャンの菓子の力に委ねられた!! "菓聖"の伝説を綴るヒストリカル・ファンタジー、緊迫の下巻!!

上下巻同時発売で下巻は第五話から第八話。



上巻で合わなそうなのは分かったが同時に買ってしまったのでね。ヒカル、詩也、オーギュスト。野村先生の男子キャラは肌に合わないキャラが割と多い。
で、そのオーギュスト。上巻よりも酷かった。
どうして独りよがりのお節介を正しいと信じ切れるのだろう? 相手が迷惑がっているのに自分が知りたいからという理由だけでしつこく出来るんだろう? 本当に理解できない。自分勝手な振る舞いに腹が立ってしょうがない。
オーギュストが語り手の割合が減ったの良かったのに、出てる時の印象悪すぎ。第五話は切なくて美しい全八話の中で一番いい話のはずだったのに、お前の初めの行動で台無しだよ。
他の要素は悪くないのになあ。
特にアルジャンとロクサーヌの語らいは上下巻通じて好きだった。特別な言葉がなくても通じ合っている空気と、でも立場の違いから愛を語らう出来ない少しの寂しさが同居した雰囲気が良い。同じお喋りでも聡明なロクサーヌとならアルジャンの会話も楽しそう。中でもアルジャンにもうつった彼女の「無駄」の使い方が好き。
約一名のマイナス要素が大きすぎた。語り手ではなく脇役ならいいピエロになりそうだったのに。