いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ロクでなし魔術講師と禁忌教典2」羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

ロクでなし魔術講師と禁忌教典 (2) (富士見ファンタジア文庫)
ロクでなし魔術講師と禁忌教典 (2) (富士見ファンタジア文庫)

正式に魔術講師となったグレンは、アルザーノ魔術学院で例年行われる魔術競技祭に向け、生徒たちに指示を飛ばしていた。「先生がやる気出してるんだし、私たちも頑張らなきゃね!」システィーナたちもグレンのやる気に応えるべく、優勝を目指していたのだが―当のグレンは優勝で得られる特別賞与を使った、借金返済を目論んでいただけで…!?そして訪れる競技祭。学院が熱気に包まれる中、女王を守る親衛隊に異変が…。女王を取り押さえた挙げ句、なぜかルミアを狙ってきて!?「処刑!? そんな勅命聞くか! 馬鹿」拒絶された生徒を守るため、グレンの魔術が秩序を正す!

なーんだ、やっぱりルミアがメインヒロインじゃないか(歓喜
生い立ちの悲劇性から庇護欲をくすぐる存在でありながら、健気さと包容力に溢れた性格。本当にいい娘だ。個人的には久々にクリーンヒットなヒロイン。これで守られるお姫様ポディションと言うだけでメインヒロインとして十分なのに、シリーズ全体の謎の中心にいるとなれば、これをメインと言わずしてなんという。散々辛い想いをして来た後の、ラストシーンの破壊力は凄まじかった。(絵師さんのあとがきGJ!) 白猫さんも悪くないけど、チョロすぎてヒロインとしての格が一枚も二枚も落ちる。
さて、ストーリーの方は魔術による競技会か運動会かという、学園ものらしい内容。
劣った戦力で勝ち上がるグレン率いる二組の活躍も、その裏で起きる事件もどちらも盛り上がりがあって安定して面白い。
ただ少し気になったのが、グレンの毒気が抜けすぎていたこと。
主人公は変化球、ストーリーはど真ん中のストレートでバランスが取れていたのものが、変化球が少なくなったことでテンプレ感が増してしまった気がする。少なかったアクションシーンのテコ入れなのか、途中で無駄な戦闘もあったりして、完成度の面では1巻の方が上だった。
次はもっと吠えてください、グレン先生。