いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「聖剣のソードラビリンス」間宮夏生(電撃文庫)

聖剣のソードラビリンス (電撃文庫)
聖剣のソードラビリンス (電撃文庫)

この世には人智の及ばないものがある。《ソードラビリンス》と呼ばれるそれは、かつて栄華を誇った剣都シグルドに突き刺さる超巨大な古代遺物――《聖剣グラム》の中に存在するダンジョン。
聖剣でありながら魔物を生み出す迷宮の謎を解こうと、幾多の冒険者が挑み、消えていった。剣都に住む幼い少年アレクの父もまた、迷宮に消えた一人である。
十年後、銀を操る《銀の鍛冶師》へと成長したアレクは、ダンジョンマスターだという不思議な少女・《剣の女王》セレスティアとの出会いを経て、彼女と共に迷宮へ足を踏み入れる。
父捜しのその冒険が、さらなる災いを招くとも知らずに……。

ゲーム(JRPG)の世界のような設定のファンタジー



普通。世界観、キャラクター、ストーリーのどこをとってもこれといった特長なし。
いや、期待値からすると平均以下になる。
これまでの間宮氏の作品の魅力は一貫して「ミステリアスな女性」にあった。しかし今作のヒロインは金髪高飛車幼女という使い古されたテンプレヒロイン。こんなテンプレヒロインでその長所が生かされるわけがない。一ファンとしては「ふざけるな!」という気持ち。
勝手な期待を押し付けるのは身勝手だと分かってはいるけど、もう『月光』のような作品には出会えないのだろうか。あまりにもテンプレをなぞっただけのどこにでもある作品で、読んでいて悲しくなった。