いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「絶対城先輩の妖怪学講座 七」峰守ひろかず(メディアワークス文庫)

絶対城先輩の妖怪学講座 七 (メディアワークス文庫)
絶対城先輩の妖怪学講座 七 (メディアワークス文庫)

「顰衆」との一件で、『妖怪学』への意識が変わった絶対城。自分なりの妖怪学論を執筆するため資料整理にあたっていると、紫から「座敷わらし」に関する情報を耳にする。一行は山間の巨木が佇む廃村神籬村を訪れ、座敷わらしの正体を突き止めることに。
一方、東勢大学では謎のドラッグが広まりつつあり、絶対城のもとに織口が相談に訪れる。大学と神籬村という、遠く離れた場所での、一見関係のない出来事が次々と繋がってゆき……そしてその脅威は礼音にまで及ぶのだった。

第二部開始。
大きな事件の後だし、座敷童という比較的平和なイメージがある怪異がメインだから、コミカルで軽い話かな?と思って読み始めたら、なかなかどうして。
舞台の半分は廃村で全編通じで茸のじめじめした空気が蔓延る“雰囲気”がある話だった。オカルトを扱っていても基本明るいこのシリーズとしては珍しい。特にオチはいつものスカッと事件解決とはならない、かなり怖い落としどころで背筋が寒くなる。この暑い夏には丁度いいかも?
と、雰囲気こそ違ったものの、妖怪にまつわる物語の面白さはいつも通り。
相変わらずの謎の説得力である。事実の混ぜ方と、創作だと分かっていても「無いだろうけど有りそう」のラインの見極めが見事と言う他ない。なんだか詐欺師を誉めているようだw
もう一つの注目点である恋愛模様は、、、誰だこの男。
絶対城がどんどん素直になっていて微苦笑が浮かぶ。杵松の前なら分からなくもないけど、礼音の前でまで素直になってて微妙にキャラ崩壊してるような? まあ可愛いからいいけど。
反面、礼音は相変わらず煮え切れないので順調ながらもやや停滞気味?と思ったら、晃さん登場で次から嵐の予感。これは次が楽しみ。
でも、その前に新シリーズ?