いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



なろう系作品について思うこと

また酔っ払いのおっさんが戯言を呟くよ!





最近、なろう系の作品を読むとアパートを連想する。
大抵どの作品でも序盤は世界観やキャラクターの紹介がメインになるので、初めは他と違う印象を受けるが、話が進むにしたがって次第に同じような展開に落ち着いていく。
その様子が、

内装(設定)や家具(キャラ)に工夫を凝らして隣の部屋(作品)との差別化を図っていても、よく見れば全部同じ部屋。一軒家のような間取りの個性がない。

このように映るからだ。




では、何故どれも判を押したような似たような話ばかりになってしまうのか、その理由をいくつか考えてみよう。
(書籍化された作品を読んでいるだけで「小説を読もう!」は読んではいないから、話の半分以上根拠がないよ!という予防線






1.一節の長さ
「小説を読もう!」を見ると、どの作品もほぼ例外なく一節ごとの投稿になっていて、何節かで一章という括りになっている。
調べたところ一投稿で最大四万字*1までいけるらしいが、一度に読ませるのに適当な文章量(読者が一度に読みやすい文章量)というのは自然と定まってくるだろうから、ヤマやオチが来るタイミングが同じになる。要するに話のテンポが同じになる。
“読みやすいけど単調”というは似ていると感じる一つの原因だろう。






2.地味な努力や苦労を長々と書けない
小説家になろう」に限らず今や多くの小説投稿サイト存在し、星の数ほどあるweb小説。特に異世界ファンタジー作品は群雄割拠だ。
そんな他に似た作品がいくらでもある中で、我慢を強いられる展開が続けば、読者は楽しい方に流れていくのは当然。そもそもお手軽に楽しみたい層のニーズに合わない。
また、大抵の人は趣味で投稿しているだらうから、本業(学業)があって短期間での投稿は不可能。そこで4話5話と苦い話が続けば何ヶ月も鬱展開が続くことになり、読者離れが進むことになる。
なろう系作品が努力や苦労無しにすぐ成功する話ばかりに感じるのは恐らくこの所為。






3.マニアック過ぎる話は人気が出ない
出版されるのは当然PV数が多い人気作品である。
マニアックな話にはコアなファンは付いても、話についていけない人は読まないのでPV数は伸びない。PV数が伸びなければ注目されることなく埋もれていく。
この流れが個性が感じられない作品ばかりが書籍化される理由ではなかろうか。






4.息切れ(もしくは長期連載の弊害)
初めのうちは「他とは一緒にならない!」という気概を見せている作品でも、それが長く続くことはまずない。
奇抜なアイデアが次から次へと出てくるわけもなく、長く続けるにはどこかでテンプレ化するしかないからだ。
短期で終われば奇抜なまま終われるが、分量が足りなくて書籍化には至らない。






5.人気が欲しい人は過去の人気作を教科書にする
もちろん悪いことではない。参考にしただけで人気作が書けたら大したもんだ。でも、どうしたってな中身が似てくるのは避けられない。
初めてその手の作品を読む人には良いけれど、前に読んだ人には新鮮味はない。また初めに読んだそれが面白くて似た作品を求めている人も、それがいくつも続けば流石に飽きてくる。
そうして多くの人が飽きてきた頃に流行が終わるのだろう。早く終われ←





そんな訳で、
住むのなら洗練された無個性な間取りの方が使い勝手がいいけれど、見学するだけなら変わった間取りの一軒家の方が楽しいよね。
というお話でした。


おしまい。

*1:四万字=ラノベだと改行が多いから文庫本換算で70頁前後ってとこかな?