いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。 鎌倉の猫は手紙を運ぶ」谷春慶(宝島社文庫)

筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。 ~鎌倉の猫は手紙を運ぶ (宝島社文庫)
筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。 ~鎌倉の猫は手紙を運ぶ (宝島社文庫)

大学一の有名人かつアンタッチャブルな存在――東雲清一郎。美咲は祖父の手紙の鑑定を通して、彼と親しくなるが、清一郎の毒舌は相変わらずで……。黒猫を介した文通相手の秘密、鎌倉の街に描かれた奇妙なマークの謎、東雲の書に対する葛藤、そして、美咲の決意――「文字は嘘をつかない。本当に鑑定していいんだな?」
鎌倉を舞台に、文字と書、人の想いにまつわる事件を描く大人気ミステリー、第2弾です。

東雲、動物好きだったのか。なんて意外な。
動物の世話とか面倒くさがるタイプかと思っていたが。でも尖がってる寂しがり屋だから、野良猫なんかは特にシンパシーを感じるのかも。まあ、本人は今や美咲に手懐けられた飼い猫状態なってしまったけどねw
そんな訳で一話目が猫の話題だったり、東雲の妹(正確には従妹)が出てきたりと、東雲の意外な一面があれこれと垣間見えるシリーズ第2弾。第1弾同様に筆跡をメインにした日常ミステリであるが、三話目が特に事件のない東雲のスランプの話だったりと、より東雲清一郎という人物にクローズアップした作りになっている。
また、前回はあった普通に警察沙汰になるような案件は鳴りを潜めて、気楽に楽しめる話になっている。二話目とかただのデートよね。ニヤニヤ
と、思っていたら最後にこれか。折角ラストシーンがいい雰囲気だったのに、なんでその前に不穏な空気にするかなあ。おかげで最後の余韻が楽しみ切れないのがとても残念。
美咲が積極的になって東雲は順調にデレて来ているので、次回こそスッキリでニヤニヤなラストに期待。