いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「皿の上の聖騎士2」三浦勇雄(ノベルゼロ)

皿の上の聖騎士〈パラディン〉2 ‐ A Tale of Armour ‐ (Novel 0)
皿の上の聖騎士〈パラディン〉2 ‐ A Tale of Armour ‐ (Novel 0)

片腕を失ったアイザックは剣の特訓をしながら旅を続けていた。次の目的地はベヒモスの棲む大湖沼。しかしアイザックたちが着いたときにはすでに件の霊獣の姿はなく――?
伝説の甲冑、その醜悍(おぞま)しき真実に身を裂かれた聖母と、王に背き大陸を巡る旅に出た勇者の神話、第二章。


バラバラにされた姉の身体を取り戻すファンタジー、シリーズ第2弾。
やっぱりと言うかなんというか、主人公アイザックが“また”無理をする話。たぶんずっと無理を強いられ続けるんだろうな。でもその分大きな成長を見られる話でもある。
その成長に欠かせない敵が堂々と立ちはだかってくれるのが三浦作品のいいところ。今回は特に因縁の相手だったこともあるが、目的は明確で目標は極めて高い。そのシンプルな構図と熾烈を極める戦闘でアクションシーンは一気に引き込まれる。今回も素晴らしい熱量だった。
但し、物語の展開の方はかなり予想外。
しばらくは姉の身体を取り戻すことだけに力を入れるのだと勝手に思っていたので、大国レーヴァテインが早くも動き出したのは意外だった。フィッシュバーン家に真実を伝えていなかった時点できな臭さしかなかったから霊獣以上の大きな敵だとは分かっていたが、目的を晒すのがこんなに早いとは。これは思ったよりも早く決着するのかもしれない……と思ったが、今回結局プラマイゼロで取り戻した身体の数も倒した霊獣の数も変わってないんだよな。やっぱり長いかもしれない。まあ味方に付けた?霊獣の数は増えたから一応前進だろう。ヒュドラさんマジツンデレ
次回、西へ。次はどんなバケモノが出て来てアイザックはどんな無理を強いられるのだろうか。