いつも月夜に本と酒

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「ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット」渡瀬草一郎(電撃文庫)

ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット (電撃文庫)
ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット (電撃文庫)

戦巫女のナユタと忍者のコヨミ。《アスカ・エンパイア》で仲良くなった二人の少女は、ゲーム内で不思議な法師ヤナギと出会う。
その老僧侶は、とあるクエストの《謎解き》を《探偵》に依頼したいという。しかもその報酬は一〇〇万円。
法外すぎる値段に驚く少女二人だが、その奇妙な依頼を受ける《探偵》も負けず劣らず奇妙な青年だった。ステータスボーナスは《運》に《全振り》――つまりバトルは最弱、しかしレアアイテムドロップ率最強のトリッキーなプレイヤーで……。

そうか、そこが『SAO』か。帯にユウキいるもんな、そりゃ彼らが関わってくるよね。
いやね、始まってしばらくは本作の主人公のナユタと仲間のコヨミが普通にゲームを楽しんでいて、ちょっと変わった事件に巻き込まれたってだけ話だったから、結構先に進むまで『SAO』の名を使う意味があるのかなと思っていたので。
同じオルタナティブでもGGOは原作に出てきたから頭の中でリンクさせやすいのに対して、こちらは原作には名前だけしか出てこないオリジナルのゲームだからイメージしづらいのが原因かも。おまけにナユタは徒手空拳だし。
結局、同じ世界なだけで最後まで『SAO』感はあまりなかったかな。あえて挙げるなら、フルダイブ技術が発展した未来を想像する時、不動産や物流などの川原先生とは違った視点で語られるところが興味深かったのが、スピンオフらしいところだったかと。
でも、物語は問題なく楽しめた。とても面白かった。
ちょっとホラーでちょっとファンシー(主に猫)な、和風と言ってもガチガチに和ではない緩い感じのゲームの雰囲気が好みだったのと、何より主人公のナユタが久々のヒットなヒロインだった。マイペースなようでいて、それに似合わない鋭い洞察力と戦闘時の苛烈さを持つ少し影がある黒髪美少女。最高じゃないか。
それに原作7巻の彼らが関わってくるという事で、必然的に泣き系の話になったのも自分好み。
綺麗に終わっているから続きはないかな? ナユタのその後は気になるが。



今更だけど、電撃の作者近影の猫率は異常w