いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「繰り返されるタイムリープの果てに、きみの瞳に映る人は」青葉優一(メディアワークス文庫)

繰り返されるタイムリープの果てに、きみの瞳に映る人は (メディアワークス文庫)
繰り返されるタイムリープの果てに、きみの瞳に映る人は (メディアワークス文庫)

「あなたは運命の人じゃなかった」
順風満帆かと思われた慶介と亜子の関係。しかし亜子は突然に別れを告げた。
驚きと悲しみに打ちひしがれた慶介に、タイムリープというチャンスが与えられる。時を遡った慶介は、別れの原因となった行動や欠点を改めていく。その先に待つのは幸せか、それとも――。
繰り返されるタイムリープの果てに、慶介と亜子、二人が辿り着く真相と結末とは?
感動うずまくファンタジー・ラブストーリー。

もやっと。
一組のカップルがタイムリープを経てお互いへの愛情と大切だという想いを再確認する物語。
それぞれにタイムリープを経験するので、男性視点でも女性視点でも相手への想いを感じることが出来、その愛の深さとそれ故起きてしまうすれ違いに切なくなり、二人を応援したくなる。
と、大変好きなタイプの話なはずだったのだけど、後半に行くにしたがって段々と違和感が増していってた。
その原因が、敵役というかキーパーソンの真栄城という存在に現実味がなかったこと。
男性視点の時も演出過剰だと感じたが、彼の目的と思考が分かる後半の女性視点での異物感が凄い。刃傷沙汰でもストーカーくらいなら現実味があったのに、なんでこんなクレイジーなの出してきたんだろう。タイムリープという非現実の最たるものがあるのに、それ以上に目立ってしまって、折角のタイムリープという仕掛けが死んでしまったように感じた。
そんな訳で、後半で冷めてしまったので読後感がイマイチ。