いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「おいしいベランダ。 3月の桜を待つテーブル」竹岡葉月(富士見L文庫)

おいしいベランダ。 3月の桜を待つテーブル (富士見L文庫)
おいしいベランダ。 3月の桜を待つテーブル (富士見L文庫)

栗坂まもりは、イケメンでベランダ菜園オタクの亜潟葉二とお隣住まいの恋人どうし。
付き合ってはじめての12月。クリスマスに年越しにとイベント盛りだくさんのシーズンがやってきた! ベランダ野菜を使った葉二のおいしいご飯で関係も急接近……なんて期待をしていたら、招かれざるお客さんが次々現れて、全然二人きりじゃないですよね!?
年末には過保護な母まで来襲! お手伝いもしなかったずぼら娘・まもりの大掃除を心配したらしい。不意打ちの訪問から、母に葉二とのお付き合いがバレて――?

お隣さん歳の差カップルのベランダ菜園ライフ、第3弾。年上彼氏、彼女の家族に振り回されるの巻。
亜潟さんてばまもりちゃんにベタ惚れじゃないですか!
このシリーズは基本まもり視点で進むので、亜潟さんの本音は行動とまもりの感じたことから察するしかなかったのだけど、今回は冒頭からまさかの亜潟視点。ここで本音を知れたのが大きかった。
その後、いつものまもり視点に戻っても、亜潟さんの行動がどれも可愛く感じてしまってニヤニヤが止まらない。栗坂家の弟→母の連続強襲は、これまでのイメージだと面倒くさがりなのに真摯に対応するし、言動そのものにも必死さや自信の無さが感じ取れるところがあるしで、これでもかと彼の真剣さが伝わってきた。
そしてそれが鈍いまもりにも後半ようやく伝わったみたいで、終いが一番良い雰囲気。今回も「ご馳走様」な気分で満足。
忘れちゃいけないベランダ菜園料理の方は、
一押しはあんかけラーメン……かな。もやしまで作ってたのか。というか、ベランダが関係ない練馬大根と鰤のお頭のブリ大根が強すぎたものだから、他が霞んじゃった感はある。
3巻もとても面白かった。大人な亜潟と楽天家のまもりで安定感がある印象のカップルなのに、ちゃんと変化があるのがいい感じ。