いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「タイムシフト 君と見た海、君がいた空」午後12時の男(ダッシュエックス文庫)

タイムシフト 君と見た海、君がいた空 (ダッシュエックス文庫)
タイムシフト 君と見た海、君がいた空 (ダッシュエックス文庫)

始まりは、あの夏休みの最終日。
道に迷っていた七尾レキは、民家の庭木によじ登り、猫を助けようとしていた変な少女、八神リノと出会った。
のんびり屋のレキ。天真爛漫で、ちょっと寝坊助さんで、手のかかる妹のようなリノ。偶然にも同じ家で居候することになった二人。親友のユウキとアザミも仲間に加わり、商店街に遊びに行ったり、季節外れの海水浴も楽しんで。そんな日々を重ね、そして二人は、ごくごく自然に恋に落ちた。だけど、この世界は大きな“不具合”を抱えていて――
それは遙か遠く、ある世界の片隅で紡がれた、甘く切ないボーイミーツガール。

読み……切…っ……た……



以下酷評


序盤、キャラクターの口調の差がない上に、キャラクターが定まらない内に苗字と名前が入り混じった書き方をされるので「誰が誰だかわからなくて読み難い!」と憤慨していたら、そんなものは大した問題じゃなかった。
366ページ(あとがきを抜いて)の大ボリュームの内訳は、前2/3が再開した幼馴染みとイチャイチャしている様子の垂れ流し。後ろ1/3はぼくのかんがえたかっこいいセカイ系の設定の垂れ流し。
前半のイチャイチャを楽しむには壊れた世界の設定が邪魔をして十全に楽しめず、後半世界の全容が分かったらその説明に追われて話に中身が無くなるという、恋愛要素と世界観が相性最悪、水と油の関係だった。
水と油らしく前と後ろが見事に分離してしまっている上に、言っちゃ悪いが設定の出来が酷いので、二人が離れ離れになっても「あ、そう」以上の感想が出て来ない。置いてけぼり感半端ない。
女の子の容姿や仕草の描写には並々ならぬ熱量とこだわりを感じたので、壊れた世界とその影響で特殊能力を持ってしまう少年少女なんて取っ払って、イチャコメしてればよかったんじゃないかな?(暴論)