いつも月夜に本と酒

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「佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I'll have Sherbet! 3」九曜(ファミ通文庫)

佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I'll have Sherbet! 3 (ファミ通文庫)
佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I'll have Sherbet! 3 (ファミ通文庫)

四ヶ月ぶりに帰省したり、桜井さんの提案で佐伯さんと一緒にプールに行ったりと、僕こと弓月恭嗣と彼女の同居生活は夏休みも順調と言えた。そして、九月。二学期に入った水の森高校では、一ヶ月後に開催される学園祭の準備がさっそくはじまりだした。一年も折り返し地点。大きなイベントを控え、何かが起こりそうな気配が――。常に冷静な弓月くんと、とびきりの美少女なのにちょっとHな佐伯さんが繰り広げる同棲&学園ラブ・コメディ、第三幕。

ラノベ界隈は今いちゃラブブームなのに、その素養があるこの作品で何故わざわざ足を踏み外すのか、これが分からない。まあカクヨム作品だから、加筆修正はあってもストーリーは定まっちゃってるからなんだけどね。
というメタい話は置いといて、
今更佐伯さん側に波風立たせてもなあ。だってあの子ベタ惚れじゃないですか。
離れ離れになっても佐伯さんの態度が一時期おかしくても、危機感が一切湧かないからハラハラもドキドキもない。ただ弓月くんがイライラしてるだけっていう。まあその間の浜中君はちょっと可愛かったけど。サブキャラ(男)に萌えてもねえ(^^; おまけにその状況の作り方が強引なら後の説明も納得できないので、読後感がモヤッとする。2巻のお父さんの説得といい、大事なところの理由付けが下手だね。
そもそも、夏休みがサラッと流されたことが気に入らない。
プールとかのイベントも大事だけど、この作品で一番読みたいところは、夏休み後二人の台詞にあった「夏休みに家でダラダラしてた二人」ここでしょう。攻める佐伯さんにいなす弓月くん、まれに弓月くんが反撃。そういうやり取りこそが、このシリーズの売りだと思っていたんだけど、作者か編集の意向は違ったらしい。
1巻は結構楽しく読めたけど、2巻3巻と感覚の齟齬が大きくなってきているので、次は様子見かな。