いつも月夜に本と酒

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「百錬の覇王と聖約の戦乙女14」鷹山誠一(HJ文庫)

百錬の覇王と聖約の戦乙女 14 (HJ文庫)
百錬の覇王と聖約の戦乙女 14 (HJ文庫)

勇斗、ついに神都グラズヘイムへ上洛!!
《鋼》討伐軍を打ち倒し、ハールバルズに心を囚われたリーファも無事助け出した勇斗は、兵の疲労も顧みず、すぐさま軍を神都グラズヘイムへと進める。リーファと婚姻を結び、神帝の地位を得る、それはユグドラシルの崩壊を見据えた勇斗にとって、どうしても必要なことだったのだ。しかし神都では、未だ野望を諦めきれない男が待ち受けていて――
覇道を征く異世界ファンタジー戦記、衝撃の第十四巻!!

一冊まるごとリーファに捧げられた14巻。
神帝として生まれたために。真に心を開いて話せる相手もおらず、しかも病弱に生まれついたために、さらに自由が少なかったリーファに、やっと巡ってきた“束の間の”幸せ。
これは多少空回り気味でも致し方ない。心底浮かれている様子と、最期へのカウントダウンが合わさって何とも言えない切なさを醸し出している。感情が爆発する勇斗と二人きりのシーンは胸と涙腺に来る。
その彼女の命を賭した敵がハールバルズだったのだけが微妙にモヤっと。もっと強敵として描かれていればそうは思わなかったんだろうけど、この人最後の最後までしょっぱかったな(^^;
結局、勇斗を呼んだことが引き金だったけど、同じ魂を持った美月がこの時代に来たことも影響してるんじゃないかと思ってみたり。
戦のない回だったけど、ラスボスが堂々と顔出ししている以上、もう他の戦はおまけでしかないから当然か。ついにユグドラシル沈没の兆しも現れて、どんな戦いとフィナーレが待っているのか、最後まで目が離せない。