いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「<Infinite Dendrogram>―インフィニット・デンドログラム― 1.可能性の始まり」海道左近(HJ文庫)

-インフィニット・デンドログラム- 1.可能性の始まり (HJ文庫)
<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 1.可能性の始まり (HJ文庫)

各プレイヤーの行動や性格、プレイスタイルによって独自に能力が進化するシステム<エンブリオ>。人と間違うような、確かにその世界に息づくNPCたち<ティアン>。そんな夢のようなシステムを備えたダイブ型VRMMOは、瞬く間に一大ムーブメントとなって世界を席巻し、数多くのユーザーがこのゲームを楽しんでいた。大学受験を終えて東京で一人暮らしを始めた青年・椋鳥玲二もまた、受験勉強の終了を記念して、かねてより兄に誘われていたを起動する――。

このラノ2018 3位ということで購入。



んーーーーーーーーー、普通。
変な癖が無くて普通に楽しめた反面、特に癖が無くてこれと言って強く印象に残ったところもない。読み終わって初めに頭に浮かんだのがDASHの米作りだった。「旨味を持続させるには雑味が必要不可欠」これはラノベにも当てはまるところがある気がする。
1巻なので説明台詞が多くなってしまうのは仕方ないとして、それを加味してもテンポが良くて読みやすい。世界観=ゲームの中身は細部まで考えられていて洗練されている。 
一方で、キャラクターは弱い。主人公のレイも相方のネメシスも戦い方や見た目には派手な面があるものの、文章から受ける印象は「普通にいい子」以上のものはない。作品は3位なのにキャラクターは男性19位のレイが最高位なのもうなずける。この手の作品で人気ヒロインがいないのはレアではあってもプラス要因ではないな。
それと、レベルの低い主人公が強い敵を倒すジャイアントキリングが一番の売りだと思われるのだけど、スキルが強すぎてあまり燃えなかった。ハラハラとギリギリ感が明らかに第一話>第七話だったのも印象が薄い原因の一つだろう。
1巻の時点では優等生な作品ではあるものの、ランキングで3位になるほど目立った作品とも思えない。先に進めば化けるのだろうか? それとも単なる「なろう」人気なんだろうか。
2巻以降は機会がありましたら(←読まないやつじゃねーか