いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「かくりよの宿飯 八 あやかしお宿が町おこしします。」友麻碧(富士見L文庫)

かくりよの宿飯 八 あやかしお宿が町おこしします。 (富士見L文庫)
かくりよの宿飯 八 あやかしお宿が町おこしします。 (富士見L文庫)

あやかしの営む老舗宿・天神屋で食事処を切り盛りする葵。
姿を消した大旦那を捜して訪れた妖都で、彼女は大旦那の過去と、“隠世”を支える料理の伝統を知る。自分の料理に出来ることは何だろう? 見つめ直しながら、葵は大旦那を取り戻す協力を得るため、北の地へと向かっていた。
美しくも閉ざされた雪国で葵を待っていたのは、知られざる美味しい名産品の数々と、懐かしいあの人物との再会! そして天神屋に協力する見返りに、雪国復興のための観光名物をプロデュースしてほしいと持ちかけられて!?

大旦那様救出の一手として、春日が嫁いだ北の地へ向かうシリーズ第7弾。
建前は大旦那様の味方を増やすためだったけど、本題は春日と旦那のキヨの関係修復、また新米八葉キヨの成長だったかと。ぎこちない若夫婦に対して、過保護な旦那側の保護者と、上手く行ってなさそうで気が気でない春日側の天神屋の面々、一歩引いた位置からはっきりものを言ってくれる折尾屋(というか乱丸)と、みんな形の違う優しさでほっこりする話だった。あとは葵とお涼と春日の集まりが、学生時代の友達が社会人になってから集まった女子会みたいだったのが印象的。
料理の方は、チーズフォンデュ、チーズドリア、ティラミスと、ずっと口の中がチーズだった。他の甘味も大体乳製品で、北の牛乳祭りといったところ。(ただ、チーズフォンデュを和風にするなら、醤油より味噌の方が合うと思うんだけどなあ。九州人と本州人の味覚の違いだろうか)。但し、No,1は締めの味噌とんこつラーメン。
あとどうしても気になるのが、鬼の居ぬ間になのか、前の巻からやけに銀次押しな幕間。自分の中で身を引くことは決まっているのに、葵への想いを募らせる銀次。ここまでやっておいて自分を押し殺して引き下がるのは考えにくいから、大旦那様が帰ってきてからが見ものだ。
次こそヒロイン救出かな?



アニメ2クールなの? KADOKAWAパワーだね。GAに力があれば……。