いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「森のシェフぶたぶた」矢崎存美(光文社文庫)

森のシェフぶたぶた (光文社文庫)
森のシェフぶたぶた (光文社文庫)

森の中に建つ人気のオーベルジュ(=泊まって食事を楽しむレストラン)、ル・ミステール。そこには、泊まった人にしかわからない「謎」があるらしい。ちょっと変わった名前のシェフが、四季の美味しい料理で出迎えてくれるというけれど……? 中身は心優しい中年男性、外見はぶたのぬいぐるみ。山崎ぶたぶたが大活躍。読めば元気になれる、大ヒット・ファンタジー

今回のぶたぶたさんはオーベルジュのシェフ。久々に奥さんも登場。



ぶたぶたシリーズ20周年おめでとうございます。いつも癒しをありがとうございます。
記念の回だったので原点回帰の意味があったのか、ぶたぶたさんがぬいぐるみである事と、それに興味津々な人達の反応が濃く描写されていたのが印象的。最近は初見で驚いても、その後は普通に接する人が多かったので逆に新鮮。ただ、皆さん料理そのものよりもぶたぶたさんの料理を作るところ食べるところに目が行くので、シェフだったのに飯テロ力が低かったのはちょっと残念。
話として好きなのは『ヒッチハイクの夜〈冬〉』
「『相手も同じように思うはず』と誤解しない」の一言が沁みた。確かにぶたぶたさんに「相手と自分はまったく違う人間」と言われたら説得力がある。
あとがきによると初代の『ぶたぶた』と繋がるところがどこかにあったようなのだが、全然気付けず無念。久しぶりに読み返すか。