いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「おいしいベランダ。 マンション5階のお引っ越しディナー」竹岡葉月(富士見L文庫)

おいしいベランダ。 マンション5階のお引っ越しディナー (富士見L文庫)
おいしいベランダ。 マンション5階のお引っ越しディナー (富士見L文庫)

栗坂まもりは、イケメンだけどベランダ菜園マニアの亜潟葉二とお隣さんで恋人どうし。
葉二と出会って2度目の秋。なんと、まもり達のマンションに大規模修繕が行われることに。綺麗になることを素直に喜ぶまもりだが、まさかのベランダ菜園も全部撤去しなきゃダメ……って、無茶ですよね葉二さん!?
さらには、まもりにマンションの部屋を貸してくれているあの人が突然現れて――?
お隣どうしの二人の恋に、ベランダに、波乱の風が吹く大人気シリーズ5巻!

ベランダ菜園存続の危機!から始まる、二人の間は盤石なのに住環境は激動のシリーズ第5弾。
恋人の元カノ、恋人の姉、憧れの従姉妹。色々な大人の女性の生き様を見て、子供だった自分を見つめ直す、二十歳になるまもり。なんて書くと、シリアスな青春小説か恋愛小説のようだけど、そこはまもりちゃん。時々悩みながらも、基本は明るくお気楽のいつものスタイル。
一番成長が感じられたのは、、、台所かな。独力でハーブクッキーなんぞを焼いておられるお姿に、立派になって(涙)と爺やのような感想が。工程が若干男らしいところに、恋人の影響が感じられてなお良し。もう一つ成長が感じられたのが葉二の扱い。そうそう、男の人ってものはいつまで経っても男の子で、大変面倒くさいものなのですよ。その歳で気付くとは。これは誉めた方がいいのか、ボロを出しまくっている葉二を嘆いた方がいいのか。まあ、それだけ安心感・信頼感があるってことで。
葉二といえば、今回は二章の初めから「もう、なんなら二人で引っ越しちゃえばいいじゃん」と思いながら読んでいて、途中のエピソードでその思いが強くなったのだけど、そう思ったのは外野だけじゃなかったようで。いやー、ニヤニヤさせてくれますな。
一応これで第一部完のようだけど、続きの予定もあるようで一安心。この二人は読んでいて幸せになれるので、いつまででも読んでいたい。