レッドスワンの奏鳴 赤羽高校サッカー部 (メディアワークス文庫)
最高の舞台で、忘れられない闘いを。日本で一番熱い冬が、今、始まる――!
高校サッカー界、最大の祭典、冬の全国高校サッカー選手権への出場を22年振りに決めた赤羽高校サッカー部『レッドスワン』の初戦の敵は、選手権連覇中の最強校だった。
しかし、絶対王者を前にしても、チームの覚悟と決意はぶれない。誰が敵であっても〈知性〉を武器に打ち倒す。どんなチームよりも頭を使って優勝を目指すのだ。
レッドスワンサーガ、ファーストシーズン、堂々完結!
廃部の危機を乗り越えたレッドスワンが選手権で大暴れするシリーズ第三弾。
この巻一番の泣きポイントは準決勝、優雅が傷ついた楓に向かって内心を叫ぶところだと思うのだけど、自分としては、初戦の常陸のゴールシーンが一番好き。
ポストプレーに守備にと自分の役割を全うしているものの、FWとして得点が取れない歯痒さ悔しさを感じるシーンはこれまで何度もあったし、彼が周りの選手と同じかそれ以上に努力した事実も知っている。その努力が大一番で報われ、チームを救うシーンは格別。本人の所為ではないけれど、ちょっとした苦笑いも提供してくれるのが彼らしい。
さて、お目当ての書き下ろし短編は、
「これから始まる二人の物語」
圭士郎さんと真扶由さんの物語に、こんなタイトル付けられたらそれだけで泣いちゃうよ。圭士郎さんの一途な想いは散々読んできているもの。二度目の告白は、この程度で自分は卑怯だと言ってしまうところに圭士郎さん誠実さが出ていてとても良かった。タイトル通りに始まってくれることを願うばかり。
さて次は、文庫化ではない未知の物語「飛翔」へ。三年になった優雅たちの戦いに目が離せない。
