いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「君がいた美しい世界と、君のいない美しい世界のこと」神田夏生(電撃文庫)

高校を卒業したばかりの春休み。最愛の人である三日月緋花里を病で亡くし、失意に沈む僕のもとに一通の手紙が届く。
「世界を『リセット』して、もう一度あたしに会いに来い」
彼女らしい突拍子もない内容を訝しみながらも、僕は一縷の望みを懸け彼女を取り戻す旅に出た。
運命を『リセット』するためには世界で一番美しいものを探し出さなければならないという。
猫のかぶりものをした怪しげな男・クレセントを道連れに、彼女との想い出の場所をめぐる旅路の果て、たどり着いた『リセット』の真実とは――?
ワガママで破天荒な彼女と僕の最高に幸せで甘苦い恋の顛末は、あなたの目で確かめてほしい。


高校卒業直前に最愛の彼女を亡くした少年が、彼女が遺した手紙に書かれた『リセット』という不思議なチカラを求めて、示された住所に向かう――遺した人の想いと遺された人のその後を考える青春ラブストーリー。
ストーリーは『リセット』の条件を探すという名目で、彼女との思い出の場所に出向く彼の旅が軸。思い出は甘く、現実は痛々しくを繰り返しながら、彼女との思い出が語られていく。
彼女の死によって思考停止していた彼が、当時の記憶を思い起こしながら一番大事なことに気付いていく過程が、切なくも優しい良い話。でも、個人的な一押しは彼女のキャラクター。
手紙冒頭の強烈な一言で速攻でやられてしまった。独特の感性を持ち、唯我独尊な俺様気質。なのにその言い分に嫌な気がしないさっぱりした性格で、正義感は人一倍。それでいてデレるとめっちゃ可愛い。
と、全体の九割は楽しんで読んだのだけど、、、
このラストはどうだろう。
ありきたりで拍子抜けしたのもあるが、それ以上にそこまで積み上げられてきた彼女の人物像が突然ブレた気がして大変気に入らない。
帯の文句「感涙必死のラスト5ページ」に期待しすぎたかな。泣く準備は出来ていたのになあ。

3/13の雑談

居酒屋ぼったくりの新刊が出ていたことの今日気付く/(^o^)\
どうせ明日、花粉症対策グッズ買ってこなきゃだからついでに寄って来よう。
何でこんな時期に出張なんだよ、まったく。俺が行っても目と鼻の看病で忙しくて使い物にならないの確実なんだけど(´・ω・`)



ACL

川崎 1-0 シドニーFC
北京国安 0-0 浦和

浦和さん、シュート数19-1で0-0てw
よく耐えたのか、相手の決定力があれなのか。

ルヴァンカップ グループステージ Dグループ 第2節

清水 1-0 磐田


今季公式戦初勝利!
4バックに戻して、カップ戦に六反、立田、ヴァンデルソン、エウシーニョ、河井、北川を投入して、なんとかかんとか勝ちをもぎ取った(途中出場含む)。ちなみに磐田さんでレギュラー格で出てたのは大南くらい。
何はともあれ勝ちは勝ちなので、これでチームがいい方に向かってくれたら。
現状、5戦で3得点の絶好調滝くんが唯一の希望である。

3/12の雑談

今更感じる暖冬

冬は夜自室で、紅茶やほっとゆず・かりんをよく飲むんですがね、
今年は全然消費されないまま、寒い時期が終わろうとしている。
そういえば、深夜手がかじかんでキーボードやゲームがやり辛いことも結局なかった。


ACL

山東魯能 2-2 鹿島
あの翔さんが名門鹿島の救世主になるのは想像できなかった。 
清水で一時牛みたいだったのに(←何年前の話をしてるんだ


広島 2-1 メルボルン
広島のリーグ戦との人の違いよ。
ACLは罰ゲームだと思ってそうw

「ヒトの時代は終わったけれど、それでもお腹は減りますか?」新八角(電撃文庫)

荒廃した24世紀の東京は合成食糧や電子ドラッグが巷に溢れ、荒くれ者たちが鎬を削る……それでも、やっぱりお腹は減るんです。日々の戦いに疲れたら、奇蹟の食堂――《伽藍堂》へ!
厨房を受け持つのは「食の博物館」の異名を持ち、天使の微笑みをたたえる少女ウカ。狩人兼給仕を担うのは、無法者に睨みを利かせる、こわもて奔放娘リコ。
二人は今日も未知なる食材求めて、てんやわんやの大騒ぎ。「おいしい!」の笑顔のためならば、人を喰らうドラゴンから、食べたら即死の毒キノコ、はたまた棄てられた戦車まで!? なんでもおいしく、そして仲良くいただきます!
リコとウカの風味絶佳な日常を皆さんどうぞ召し上がれ。


舞台は過去の大戦や行き過ぎた科学技術によって荒廃した24世紀、東京。どんな荒くれ達もそこでは仲良く食事をする奇跡の食堂を営む、料理人ウカと狩人兼給仕リコの騒がしい日常を描く終末SF。
こういうジャンルを「ポストアポカリプス」と言うらしいのだが、そういう枠組みはあまり意味をなさないかも。何故なら、未来ならこういう技術もきっとあるはず、という想像をジャンルを問わず詰め込んだ、何でもありの闇鍋コメディなので。
その何でもありを使って思いっきり遊んでいる感じがとても楽しい。キャラクターの素性も過去の人間の過ちもかなりぶっ飛んでいる。
中でも“ゲテモノ”なのが食材。自立兵器の人工筋肉は食うしわ、恐竜は食うわ、猛毒キノコは食うわ。次は何を食らうのかと、ハラハラとワクワクするのがまさに闇鍋。
話は一話完結型で、破天荒なリコと泰然としたウカの凸凹コンビの掛け合いが話の軸。どんな時代でも、女の子二人が仲良くしているのを読むのは良いものです。そこに、毎回リコに吹っ掛けられる難題を力技で解決していく冒険活劇あり、破天荒な時代設定に驚かされたり、時折現代社会に対する痛烈な毒が混ざっていたりと、楽しみ方色々。それと、どの話も同じ釜の飯を食って仲良くなろうぜ!の精神で爽やかに終わっていくのが気持ちがいい。
シリアスで泣き路線だった作者のこれまでの作風とまるっきり違っていて驚いたが、カラッと笑える面白い作品だった。すでに2巻の予定が決まっているようで楽しみ。